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妄想陰キャの異世界無双〜清楚系JDと共に〜  作者: 音無響一


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32/48

妄想32 正座

強く抱き締めた。


アサミさんが震えている。


アサミさんが泣いている。


アサミさんが傷ついている。


俺にアサミさんを抱きしめる資格があるのだろうか。


でも抱きしめたかった。



「タロウくん⋯ごめんなさい⋯ごめんなさい⋯ごめんなさい⋯」



なんでアサミさんが謝らなきゃいけないんだろうか。


悪いのは全部俺なのに。


分からない。


アサミさんが悪いのか?俺が悪いのか?


お互い何に謝っているんだろうか。



「アサミさん、俺はここに居ることは何も後悔してないんだ。だから謝らないで欲しい」


「なんでなの!おかしいよ!だってもう帰れないかもしれないんだよ!」


「うん、帰れない可能性の方が高いよな」


「もう二度と家族にも会えないんだよ!」


「そうだな。だとしても後悔してない」


「うわあああああああん」



ずっと心細かったんだろう。


こんな何も無い世界に来てしまったんだもんな。



「ごめんアサミさん⋯⋯⋯⋯」


「なんでタロウくんが謝るの!それも変だよ!」


「いや、その、それは⋯アサミさんを傷つけたから、怖い思いをさせたから⋯」


「それこそ勘違いだよ!傷ついてない!タロウくんには感謝しかしてないもん!生きてるのも、1人で居ても心細くないのもタロウくんのおかげだもん!」


「じゃあ、なんで泣いて⋯⋯⋯」


「だってタロウくんが傷ついてるんだもん!私のせいでこんな⋯⋯⋯」



ああ、そういえば人殺しになってるな。


アサミさんを守れたからそれはそれでいい。



「その事は俺は後悔してない。アサミさんを守れたから。アサミさんが泣いてるから、アサミさんの目の前であんなことしたから、アサミさんの心が傷ついたと思って後悔してて⋯」


「え?私のことを思って謝ってくれてた⋯の?」


「うん、あとはその、破廉恥なことをしたことも⋯」


「どっちも平気⋯だもん⋯」



ということは?



「え?じゃあ⋯2人とも勘違いして、見当違いな事で謝ってる⋯のか?」


「そう⋯なるね⋯」


「⋯⋯⋯⋯」


「⋯⋯⋯⋯」


「1回地下に行かない?」


「うん、そうしよっか⋯」



俺はいそいそと地下空間を作った。


そして入る。


何故か正座になる。


アサミさんも何故か正座している。


クゥちゃんは隅で寝てた。



「⋯⋯⋯⋯⋯」


「⋯⋯⋯⋯⋯」


「えっと⋯⋯⋯」


「う、うん⋯⋯」



何を話していいか分からない。


落ち着くためにここに来たはいいが⋯



「あ、あのさ、一応聞いておきたいんだけど⋯⋯⋯⋯」


「う、うん」


「俺ってアサミさんに嫌われて⋯⋯ない?」


「嫌う理由がないもん⋯⋯」



な、なんですと?


あんなことをしたのに⋯⋯⋯


思い出しただけでゾッとするんだけど、いやいや、あれはダメだろ。


上に乗らせてたぞ?


しかもなんだよあの口調。


思い出しただけでキツいんですが⋯



「結構⋯いや、大分酷いことしたような⋯」


「全然⋯だよ?嬉しかったし⋯」



な、なんですと?


本当に嬉しかったのか。


1人でしてるのか、とか聞いたような⋯


うがああああああああ!


何聞いてんだ俺は!


辱めを与えているではないか!


ばか!俺のバカ!


くぅぅぅ、夢と思ってた俺のバカ!


でも嫌われてない。


それが信じられない。


まさかこれこそが夢?


いや、夢とか妄想とかに逃げるな。


全て受け止めろ。


そうしなかったがために、アサミさんを危険に晒してしまったんだ。



「タロウくんは⋯⋯⋯」


「うん、なに?」


「タロウくんは⋯タロウくんこそ、私のこと恨んでないの?」


「うん、これっぽっちも」


「ほ、本当に?」


「うん、本当に」



後悔する要素がない。


マイヴィーナス、女神の為ならたとえ火の中水の中。



「もっとちゃんと話さないとだね」


「そうかもしれない」


「無意識に話題を避けてた気がするの」


「現実を直視出来ないもんな」


「うん⋯タロウくんがいるけど、やっぱり元の生活に、日本に帰りたい気持ちもあるから⋯⋯⋯」



そりゃあ俺だってゼロではない。



「でもねアサミさん。戻ってもアサミさんが居なかったら嫌なんだ」


「⋯⋯え?」


「だから後先考えずにアサミさんを助けに来たんだと思う」


「そう⋯なの?」


「行かない選択肢だってあったんだ。でも悩むことなく飛び込んだんだ」


「うん⋯⋯⋯ありがと⋯」



あの時も何を考えてたんだろうな。


本当に迷いなんてなかった。



「すぐに魔物との戦闘になって、助けることができて、思ったんだ」


「どんなことを?」


「アサミさんを守ろうって」


「⋯⋯⋯⋯⋯嬉しい」


「なのにさっき危ない目に会わせたから申し訳なくて⋯俺がしっかりしてればって」


「でも助けてくれた⋯ありがとう」


「なんか疲れたからさ、今日はここでゴロゴロして過ごして、移動するのは明日から頑張らないか?」


「うん、私もそれがいいと思う⋯」


「朝みたいなことは、もうしないから!」


「⋯⋯⋯⋯え?なんで?」


「いや、俺みたいなキモイ男にあんなことされたら嫌かなって⋯⋯⋯」


「タロウくんはキモくない!かっこいいもん!」


「⋯⋯⋯⋯⋯へ?」


「タロウくんだから私もしたいんだもん!」



私もしたい⋯⋯⋯だと?



「えっと⋯じゃあ⋯⋯また一緒に⋯⋯」


「うんっ!一緒にしよっ!」



⋯⋯⋯⋯本当に夢じゃないのか?


正座しながらなんの話しをしてるんだ⋯



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