妄想30 夢オチであってくれ
今度は夢を見てるという認識でしていいわけだな。
いいよなこういうの。
夢を夢とわかっている時。
現実と妄想の狭間で好き勝手できるんだ。
妙にリアリティのあるあの感覚。
あの夢を見ている時ほど楽しい時は無い。
「今から手伝ってくれたら嬉しいんだけど、大丈夫か?」
「う、うん、するって言ったから大丈夫だよっ」
夢の中のアサミさんも覚悟を決めてくれたようだな。
さすが俺の夢の中。
都合のいいペースで進みやがる。
ここは大胆に行ってみるか。
夢だから許されるだろ。
今の俺はあぐらをかいている。
「アサミさん、それじゃあこのまま上に跨って乗ってくれないか?」
「⋯⋯⋯⋯う、うん、跨ればいいん⋯だね⋯⋯⋯」
少し恥ずかしいのか、おずおずとこちらに近づいてくるアサミさん。
いい感じに恥じらいがあって最高だな。
俺の目の前に来た。
「それじゃあ⋯乗る⋯⋯ね⋯」
アサミさんは足を肩幅くらいに広げた。
なんだろうか。
全くえろい要素はないだろう。
だがえろい。
目の前で足を広げて立つ。
これだけでえろい。
もう俺の俺はばっちこーいと言っている。
アサミさんは俺の肩に手を置いた。
膝を曲げ、ゆっくりと俺に跨ってくる。
近づく2人の距離。
抱き合ったこともある。
腕を組まれたこともある。
2人の距離はゼロ距離になることは何度もあった。
対面座位だ。
このゼロ距離は⋯⋯⋯⋯⋯
破壊力抜群だ。
アサミさんが完全に着地した。
ライドオン!
「ひゃっっっ」
俺の俺が当たったんだろう。
「お、お腹じゃないとこに⋯ああっ」
俺は腰に手を回し、アサミさんを身体ごと押し込んだ。
「うぁっっっ、だっ、あっっ、これだめっ」
身長差はあるが、俺の上に乗っているので顔の距離が近い。
可愛いな本当に。
キスしてみたくなる。
「アサミさん、このまま動くな」
「え?ちょ、ど、え?動く?何が?え?」
アサミさんはテンパっているな。
夢の中なのにリアリティがすごい。
「うっ、擦れる⋯」
もちろん俺は夢の中なので遠慮無用だ。
服を貫通して、そのまま入ってしまえばいい。
有り得ないが有り得てしまうかもしれないくらい腰を振る。
「アサミさん、もう出る⋯⋯⋯うあっ」
「ああああっ、当たって⋯」
おお、1回目なのにすんごい出てるな。
気持ちよすぎる⋯⋯⋯
なんて生々しい感触なんだろうか。
それより一体いつになったら夢が覚めるんだろう。
まだまだイケそうな気がするな。
「アサミさん、まだまだするよ」
「ちょ、まっ⋯だめっっっ」
猿になった俺は止まらなかった。
そのまま2回目、3回目と止まることなく吐き出した。
だがおかしい。
夢から覚めない。
夢を見る時は起きる直前と聞いたことがある。
だからもう夢から覚めるんだと思っていた。
なかなか大盤振る舞いだな。
だが三連続もしたら疲れてしまう。
「アサミさん、ありがとう、スッキリしたよ」
「あ、あう⋯⋯⋯は、はい、ああっっ」
スッキリはしたが、まだ硬いからな。
それが当たっているから違和感があるんだろう。
リアリティ抜群だ。
それにしてもまだか?
まだ目が覚めないのか?
すごいなぁ。
それならもうやるとこまでやっちゃってもいいんじゃないか?
「タロウ⋯⋯⋯くん、わ、私もすごかった⋯⋯⋯ありがとう⋯」
「アサミさんも?それなら良かった。一緒にできたんたな」
「あ、あぅっ⋯は、恥ずかしい⋯⋯」
かわいいなぁ。
俺は夢の中だから恥ずかしさなんてない。
普段はやっても出来ないなでなでをしておこう。
はぁ、アサミさんの髪の毛は本当に手触りが気持ちいい。
なんて滑らかなんだ。
「うぅ、そ、そんなことまでされたら⋯」
「アサミさんはかわいいなぁ、どこもかしこも素敵だ」
「はうっっ、なんでそんなことを⋯⋯」
そりゃあ夢だからに決まってるじゃないか。
でもいつになったら目が覚めるんだか。
まぁいい、触っていよう。
うーん、飽きはしないんだが、本当にいつだろうか。
はっと、目が覚めて、夢かぁってなるやつはまだか?
「た、タロウくん、そろそろ街に向けて歩かないとじゃない?」
「あ、ああ、そうだな。そろそろ行かないとだ」
行くも何もイキまくったがな。
そろそろ行くより、そろそろ目が覚め⋯⋯
うーん、何だこの違和感は。
なにか重大なことを見落としてるというか、なんというか。
『ガウッガウガウッ』
「あ、クゥちゃん起きたんだね」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯まさかな。
「タロウくん⋯そろそろ⋯⋯」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯いや、え?
「クゥちゃんもお腹空いてるみたい」
『ガウッ』
⋯⋯⋯⋯⋯⋯嘘だと言ってくれ。
「ね、タロウくんもお腹空いてない?」
「は、はい⋯⋯⋯」
「じゃあ、用意するね?」
「は、はい⋯⋯⋯」
「んしょ、あっ⋯」
立ち上がってよろけるアサミさんを俺は手で支えた。
「あ、ありがと⋯⋯えへへ、またすっごい濡れちゃってる⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯く、クリーン!」
俺は慌ててクリーンをかける。
「タロウくん、果物にする?お魚にする?」
「あの⋯⋯⋯⋯」
「なーに?」
「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」
「え、ちょ⋯どうしたの?謝らないでタロウくん、ダメだよそんなに頭打ち付けたら、痛いよタロウくん、怪我しちゃう!」
やっとわかった。
夢オチであってほしかった。
これは⋯⋯⋯⋯現実だ。
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