妄想26 妄想列車は暴走列車
『タロウくんの硬いのがお腹に当たってるの分かるね』
『アサミさんの柔らかいのが当たってるからこんなに硬くなったんだぞ』
『私のせい?』
『全部アサミさんのせい』
『私⋯⋯悪い子?』
『ああ、アサミさんは悪い子だ』
『悪い子だとどうなっちゃう?』
『悪い子にはお仕置だ』
『お仕置⋯⋯⋯してくださいっ』
ああああ、こんな妄想してたらダメだ。
なんでしかもアサミさんがエム設定なんだ。
どうするの?
ねえ本当にどうするの?
考えがまとまらない。
思考が上手くできない。
俺の脳内コンピューターは発熱によりフリーズしている。
『タロウくん、これなーに?』
『い、いや、これは⋯』
『この硬いのはなぁに?』
『ち、違うんです、誤解で⋯』
『誤解?こんなにカッチカチなのに?』
『あ、あう⋯で、でも⋯』
『んー?何が言いたいの?』
『うあっ、そんな強くしたら⋯ああっ』
『ふふ、かわいいなぁタロウくん』
『ああ、見ないでアサミさんっっっ』
なんだこれはあああああああああ
なんで俺がエム男くんなんだああああ
違う、俺はエムかエスかなんてまだ分からない童貞なんだ。
止めろ、この妄想を誰か止めてぇぇえええ
『アサミさんは甘えんぼちゃんなんだ』
『だって⋯タロウくんと一緒がいいんだもんっ』
『仕方ないな、ほら、もっと近くにおいで』
『やったぁ』
『よく来たね』
『だってここは私の特等席だもんっ』
『そうなの?じゃあ指定席じゃないんだね?』
『え、違う、指定してる!ずっと永遠に私の指定席だよっ』
『それならここはアサミさん専用の指定特等席だね』
なんなんだああああああああ
なんだこの激甘くそバカップルは!
甘すぎて馬鹿すぎて吐いてまう!
キザというよりアホすぎる!
止まれ俺の妄想!
止まってくれええええええ
『ぎゅってしてると、タロウくんの鼓動も聞こえちゃうね』
『アサミさんの体温を感じられると幸せだよ』
『嬉しい⋯私も幸せ⋯』
『アサミさん⋯』
『タロウくん⋯』
止まれぇぇえええええ
甘々カップルから離れてくれえええええ
こんな妄想しないでくれよおおおお
『ホントあんたってダメダメね』
『え、ごめんなさい』
『はあ?ちゃんと謝ることも出来ないの?謝罪くらいしっかりやりなさいよ』
『は、はいいぃ、も、申し訳ございません』
『ど・げ・ざ』
『は、はい?』
『2度も言わすつもりなの?本当にクズね』
『いえ、すぐにせず申し訳ございませんでしたああああああああぁぁぁ』
『はぁ、さっさとやりなさいよ、あんたなんて無価値なクズなんだから』
『ぐあああああああああ、あ、ああありがとうございますうううううう』
ピンヒールで後頭部を踏まないでぇぇえええ
そんなアサミさんは嫌⋯⋯⋯⋯
アリか?
違う、そうじゃない、止まるんだタロウ!
はぁはぁ、どうすれば止まるんだ⋯
『こーんなに大きくしてぇ、早くしたいなぁ』
『何したいの?』
『んもぉ、分かってるくせにぃ』
『ははは、なんのことかわからないな』
『んーもぉ、言わせたいだけなんでしょっ』
『言って欲しいなぁ』
『私の中に、これ、欲しいなぁ』
『それじゃあ分からないよ、ちゃんとハッキリ言わないとできないなぁ』
『んもぉ、いじわるっ』
『タロウくんの、おっきくて、かったくて、たっくましいの、ほ・し・い・のっ』
『それは一体なんのことかなぁ』
『あーんもぉ、ほんとうにいじわるなんだからぁ』
『言えない子にはあげられないなぁ』
『ん~~~っ、タロウくんの、お・ち⋯』
言わせねぇ!
あっぶね、焦ったー⋯
誰だよこの2人出てくんな!
次!
『あ、アサミさん、ごめんっ』
『え?タロウくん、急にどうしたの?』
『い、いや、その⋯な、ななななんでもないよ』
『そう?なんでもないのね?』
『う、うん、なんでもないから気にしないで』
『ふーーーん』
『な、なに?』
『じゃあ私から聞いていい?』
『え?何を?』
『問題です。私のお腹には何が当たってるでしょうか』
『⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯』
『正解者には素敵なご褒美があります』
『え?ご、ご褒美?』
『ちゃんと答えてくれたらだよ?』
『えっと⋯⋯⋯⋯』
『はい、時間切れです』
『え、うそ、でも、えっと⋯』
『不正解なので、お預けです』
『(ばれてるうううううう)』
モロバレパティーンからのお預けかいっ!
アリだがキツイ。
次っ!
『アサミさん、あのさ⋯』
『ど、どうした⋯⋯の?』
『なんて言うか⋯その⋯』
『うん⋯⋯⋯⋯』
『その、あの⋯えっと⋯』
『うん⋯⋯⋯⋯』
『あ、あのさ!』
『うん⋯⋯⋯⋯』
『だからあの⋯⋯その⋯⋯』
『うん⋯⋯⋯⋯』
がああああああああ、まだるっこしい
言うなら言え!
でもこれが俺っぽいからありだな。
次っっ!
いや、次じゃねええええからあああああ
ああああああああぁぁぁ
誰かこの暴走妄想を止めてぇぇぇぇ
ああ、寝れない、寝れないよぉぉおおおお
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
⋯⋯⋯⋯⋯⋯
⋯⋯⋯⋯⋯
⋯⋯⋯⋯
⋯⋯⋯
⋯⋯
⋯
「うーん⋯⋯⋯おはようタロウくん」
「お、おはょ⋯⋯⋯⋯⋯」
寝れるわけなかろう!
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