異世界恋愛を執筆されている作者様へ。ドレスを書くのはお好きですか?
みなさまごきげんよう。
もしくは初めまして、くろつです。
「女の子が幸せになる」をテーマに小説を書いています。
突然ですが、異世界恋愛などの小説を書く際の、ドレス描写はお得意ですか? お好きですか?
私は、ほんとにほんとに苦手でした。
だって、ドレス、自分で着たこともないですし……。
でも今は、すらすら書けるとまでは言いませんが、少なくとも負担になるレベルではなくなっています。
それについて私なりのやり方をお話して、みなさまのご参考になると幸いです。
始めに結論を言ってしまいますと、土台をもとに表現のストックを増やす。
……これです。
なんのことやらだと思いますので、これから詳しくお話しますね。
実は先日、長編小説で書く予定の男性主人公に着せる服(正装でそこそこ派手なもの)を考えておりまして、久しぶりに難航したので、我ながら反省したんです。
男性用の服の表現ストックが少なすぎる、と……。
ちなみに女性用ドレスの表現ではここ数年、あまり悩むことがありません。
なぜかというと、自分なりのマニュアルと表現のストックが一定量あるからです。
これは私個人のやり方ではあるのですが、ワードのファイルに「ドレス」というものをひとつ作って、そこにドレス関係の表現をストックしてあるんですよね。
このストックフォルダを作るようになってから、異世界恋愛ものを書くのがぐっと楽になりまして。
なろうで異世界ものなど書いていらっしゃる人にも、参考にしてもらえるといいなあ、ひいては少しでも楽に小説を書いてもらえるといいなぁと思って、シェアするつもりでこのエッセイを書いてみました。
なんでもそうですが、ゼロから一気に完成形を考えるのって誰にとっても難しいものです。
でも、1のものを2にするのは、ハードルが低い。
5のものを6や7にするのは、さらに気がらく。
なによりも、これらのストックを前もって用意しておくことで、執筆中に手が止まることがほぼほぼなくなりました。
ということで、私は常日頃から積極的に土台を探すようにしています。
さて、土台とはなんぞや?
土台とは、ざっくり参考画像のことです。
目が慣れると画像以外にもあちこちに土台は転がっているのですが、ここではわかりやすくするために、画像や映像を例にとりますね。
土台とするのは映画やファッション雑誌などもよいのですが、ドレス一着分の表現を探すために2時間近く映画を見るのはなかなか手間ですし、ファッション雑誌を数冊読んでも、必ず使いたい色やデザインのものが載っているとは限りません。
このエッセイを読んで下さっている人は、今すぐに使えるアイデアを求めておいでかと思うので、私が知っている、一番手っ取り早い方法をひとつご紹介しますね。
それは、ドール用衣服の通販サイトを見ること。
球体関節人形のサイト、おすすめです!
ドールの衣装も、アジア風のものやベビーっぽいの、普段着っぽいのなどいろんなタイプがありますので、お好みの画像に当たるまではいくつかページをめくる必要があるかと思いますが、経験上、かなりの頻度で出てきます。
ゴージャスでふわふわでひらひらのやつが(語彙力……)。
お好きな画像を選んだら、あとは、その画像を見ながら自分なりに言語化していく作業へ移ります。
あっ、大丈夫、むずかしくないです。簡単です。
たとえばここに、
・「黄色と黒のドレスを着た人形の画像」
があるとします。これを自分なりに、
・「カナリアイエローの光る素材に、細い黒のリボンがあしらわれたドレス」
と表現してみます。
これがひとまずの土台になります。
さっきの数字で言うなら5のあたりですね。
このままでもよいと言えばよいのですが、私はいつも、そのドレスを誰に着せるつもりなのかを考えて、表現を微妙に変えています。
ヒロインなのか? 悪役なのか?
たとえば着せるのがヒロインだとして、性格上やさしい感じにしたいと思ったら、土台の一部を少々変えて、
・「カナリアイエローの柔らかい布地に、チョコレート色の細いリボンがあしらわれたドレス」
と変えてみます。
着せる相手が悪役だとしたら、やはり土台を少々変えて、
・「光る素材の黄色のドレスは胸元が大胆に露出して、袖口には漆黒のレースが施されている」
とします(あくまで一例です)。
──いかがでしたでしょうか?
◇◇◇
「人形 衣装」で画像検索をすると、それはそれはたくさんの画像が出てきますので、お好みにあいそうなものをどうぞ探してみて下さい。
見るだけでも楽しいですし、ドール自体も、もう息が止まりそうなほど美人な子とかいて、ドールの写真を見ているだけでも目の保養です(お値段もけっこう息が止まりそうですが……)。
ちなみに私は、初めてそのサイトを見た時、興奮のあまり、声に出してしまいました。
ああぁなにこれかわいいぃい。
……まわりに人がいなくて、ほんとによかったです。
あっ、この方法、実は欠点がひとつだけあります。
──それは、あれもこれも見ているうちに、容易に時間が溶けること。
今回、このエッセイを書くにあたって、自分の表現フォルダを見直してみたところ、季節の表現が弱いということに気がつきました……。
いえ、冬はいいんです。冬の表現はね、ストックあるんです。
なにしろ、雪国在住なもので……。
他の季節表現が私は弱かったので、それは今後の課題ということにして、さらに勉強したいと思っています。
さて、みなさまは、なんの表現が苦手ですか?