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お花見しましょ? 7

 3時間目、島崎君、今度は、私たち女子の顔をひとりひとり観察しまくっていた。

 島崎君を見てるって女の子を探しているのだねぇ。

 で、何人かの女の子と目が合って、照れたようにほっぺを掻いて、ごまかそうとしているし・・・・・・

 もちろん、私とも、何度も目が合った。

 わざとらしく、声に出さずに、口の形で『なにか用?』って訊いてみたりして。

 島崎君、そのたびに慌てて、視線を泳がせる。ふふふ。

 まわりをよく見てみると、島崎君と目が合って、私のように、口の形だけで『何?』って訊いている女の子がいたり、気持悪そうに口をゆがめている子がいたり、完全に無視を決め込んで、無表情を通している子がいたり。女の子たちの反応は様々だった。

 でも、一人だけ、まったく違う反応をしている子が。

 その子は、島崎君に見つめられるたびに、緊張で、体を硬くして、スカートの端を凝視しているのだけど、島崎君の視線が外れるたびに、チラチラと目の隅で島崎君の様子をうかがっていた。で、島崎君の視線が自分の方に向いていないことを確認すると、落胆した表情を浮かべて、また、スカートの端を見つめてた。

 うん、ほんと、けなげというか、なんというか・・・・・・


 4時間目も、島崎君の一人女子観察会はつづく。

 いい加減、私もくたびれてきたぞ!

 事情を知っているだけに、それでも何とか、我慢してあげてるけど、他の女の子たちは、そんなこと知らないわけで・・・・・・

 とうとう、4時間目の授業が終わり、先生が職員室へもどっていった後で、何人かの女の子が、島崎君を詰問し始めた。

「さっきから、なに私たちのこと、みてるのよ!」

「気持ちわるいわね!」

「ヘンな視線で、私を見ないで! ニヤニヤして、変な妄想しないで!」

 って、それは絶対にないでしょ? お相撲さんみたいな体型で、それこそ、どんな妄想をしているのだか、彼女は・・・・・・

 島崎君、口の中でもごもご謝るばかりだった。

 そして、そんな姿を遠くから見つめている女の子もいたりした。


 その一方、4時間目の授業が終わると同時に、学君、ありさちゃんに話しかけて、二人で連れ立って、どこかへいっちゃった。

 たぶん、想像するに、三階のさっきの場所へいったのだろうな。

 で、しばらくして、ありさちゃん教室にもどってきた。

 いつもの6人でのお弁当。

 ありさちゃん、もうすっかり元気を回復して、いつものありさちゃんにもどっていた。

 ううん。

 いつも以上に、朗らかで、おしゃべりなありさちゃん。それに、頬をほんのり赤く染めている姿って、なんだか、かわいらしいし、色っぽいかも。

 学君、きめるときはきめるねぇ。

 アンタは、男だ! 男の中の男!



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