名門・さく女生徒会! 4
「ひかりん、よかったね。神宮寺さんに許してもらって」
「うん」
最高の笑顔って、こういう顔をいうんだろうな。なんて、感想がそこはかとなく浮かんできそう・・・・・・ などと、熊坂さんの顔をぼーっと眺めていると。
「そうそう、神宮寺さん、もう動いても大丈夫なら、ちょっとこれから付き合ってくれない?」
学級委員長が、委員長の顔をして、いう。言っていることは、要請なんだけど、その顔をして言われると、なんだか命令されてるみたいで、断れないじゃない。
「い、いいけど・・・・・・ どこへ?」
「お姉ちゃんにあってほしいの」
これは熊坂さん。
「そ、これから生徒会室へ一緒に来てもらえる?」
お姉ちゃん? 生徒会室? ん? んん?
私の頭の中のクエスチョンマークが顔に出ていたのか、委員長が説明してくれた。
「ひかりんのお姉さま、瞳さんが今年、生徒会長を勤めてらして、今日これから神宮寺さんに会いたいっておっしゃられているの。会ってもらえる?」
へぇ~ ビックリ! こんな娘にお姉さんがいて、しかも、生徒会長に選ばれるぐらい人望がある人だなんて・・・・・・
あっ、でも、熊坂さんのお姉さんってことは・・・・・・?
「ふふ、もちろん、ひかりんと違って、ノーマルな、感じのいい人よ」
委員長、私の先回りをしていう。って、じゃ、妹のこの娘はノーマルでないってことかよ。委員長、それは認めてるんだねぇ。
ともかく、そういうことなら、別に構わない。私、コクンとうなずいた。
「じゃ、みんなで、一旦教室にもどって、荷物をとってきましょう」
私たち4人は、ゾロゾロと教室にもどり、カバンを提げて、生徒会室へ向かった。旧館2階、一番奥の部屋。
途中、ありさちゃん、私の袖をひっぱり小声で話しかける。
「ねぇ、つかさ? 学級委員長、なんか私のこと嫌ってる?」
ありさちゃんも気がついていたみたい。
「う、うん。たぶん」
「どうしてだろう? 私、委員長に嫌われるようなこと、なにかしたかしら?」
「う~ん、たぶんしてないと思うけど・・・・・・・ っていうか、ありさちゃんがどうこうじゃなくて、島崎君のせいだよ、きっと」
「島崎? ん、ん? なんで?」
「昨日、ありさちゃん、デート断ったでしょ。あのとき、途中まで委員長も近くにいたんだぁ」
ありさちゃん、しばらく、クビをひねっていたけど、やがて、ポンとひとつ手を打った。
「そ、そうかぁ~ そうだったんだぁ~」
ようやく、ありさちゃんも納得したようだった。
「早苗ちゃんってわけかぁ~」
ん? ・・・・・・早苗って、だれ?
「ねぇ? そういえば、ありさちゃん、今日は部活行かなくて大丈夫?」
「うん、今日は大丈夫、さっき保健室へ行く前に、剣道部の子に遅れるって、伝言頼んでおいたから」
「そう、ならいいけど」
やがて、私たちは、生徒会室の前までやってきた。
「つかさちゃーん。ここ、はやくおいでぇ」
熊坂さん、両手をブンブン振り回して、私を呼ぶし・・・・・・
「あ、はいはい。ありさちゃん、いこ」
「うん」