序章
もしも最初から、運命が決まっているのだとしたら、僕がここから飛び降りることも運命なのだろうか。
あと一歩、、あと一歩前に進めば、僕は楽になれる。そう考えてここに来たのに、来たら来たでいらないことを考えてしまう。いつも後退してばかりの人生だったんだ。今日だけは前に進もう、と強く心に誓った。
僕は一歩前に出す。 吹き抜ける風。 全身を覆う不快感。
やっと楽になれる。。。
フワッとした感触が全身を包み出す。
「あなたはどうしてここに来たの?」
頭の中に直接、聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「僕は自分を変えるために、しがらみから抜けるために。。。」
そういうと声は、呆れた声で
「勇気を出す場所、間違えてない?どうしてもっと早く勇気を出さなかったかなぁ。キミは、まだここにくるべきではないよ。今から一週間前に戻すからちゃんと考えてきなさい!」
そういうとふっと目の前が暗くなる。
ジリリリリリリり...
「もういつまで寝てんのよ〜〜!起きなさい幸田!学校遅れるわよ!!」
怒鳴り声と共に布団を剥がされる。
「あーもうわかったよ!起きた!!もう起きたよ!!」
そう言っていつもの日常がはじまっ、、、あれ、、、
目を手に移すと僕の手首には、文様のようなものがあった。