第3話 エピローグ
いつもお読みいただいてありがとうございます。
これにて3話終了でございます。
エピローグ
調査依頼を終えてからクリオールへと無事に戻ってきた。
今オレは自分のベッド上で寝転がって考えことをしていた。
オレは神の力を6つに分けて、神の力を使った時にそのことを人のを記憶から薄れさせ、思い出せないようにする機能を付加した。
しかし、例外が存在する。
その例外とはこの世界の神と関係する者達、例えば聖女や勇者、巫女、神使など何かしら神と接点を持つ者に関しては記憶を操作できない。
神の力同士が干渉する為だ。
そうなると、エリスも何かしら神と接点があることになるが、エリスには何かあるのだろうか?
そんなことを考えてたら、部屋の扉がノックされた。
「シュンさん、起きてますか?」
「ああ、起きてるよ」
「良かった。入ってもいいですか?」
「どうぞ」
オレはベッドから体を起こして返事をする。
エリスがドアを開けて部屋に入ってくる。お風呂上がりなのか髪の毛が少し濡れて、ほんのり頬が赤い。
「お風呂あがり?」
「はい。いいお湯でした」
「それはよかった」
「このお家のお風呂に慣れてしまったら、もう大衆浴場にはいけませんね」
「はは、そうかもね」
「隣に行っても良いですか?」
「もちろん」
エリスはオレの隣に座って、オレを見ながら笑顔で膝をポンポンと叩く。
「ん?」
オレが首をかしげていると、エリスの手で頭をそっと膝に持っていかれた。
膝枕というやつだな。
「んー、なぜ膝枕?恥ずかしいんだが・・・」
「シュンさんが珍しく難しい顔していたので、気分をほぐしてあげようと思いまして」
少し無言のまま時間が経ち。
「そっか、ありがとう」
「どういたしまして。シュンさんが話したくないなら無理に聞きませんから、安心してください」
気を使わせてるなあ・・・。
「いや、ちゃんと話すよ。というか、話したいから聞いてくれる?」
「もちろんです」
オレはエリスと話をする為に、体を起こそうとする。
膝枕は惜しい気がするが、そんな姿勢でする話でもないしな。
と、思ったが頭がすごい力で押さえつけられて体を起こすことができない。
「エ、エリスさん。体を起こせないんですけど?」
「別にこのままでも話は聞けますよ?」
「いや、この姿勢で話す内容でもないというか、オレの尊厳の問題というか・・・」
「ふふ。シュンさんに尊厳なんて言葉は似合いませんよ。」
久々にディスられてるな。はあ、観念するか・・・。
しょうがないので、このままの姿勢で話すことにした。
オレがこの世界ではなく、別の世界から来たこと。その時に、この世界の神の力を得たこと。そして、この前の依頼の姿は、その神の力を使う時の姿だということ。
エリスはただ相槌をうちながら、オレの話を聞いてくれた。
「ちなみに、オレが神の力で変身した時のことって、普通の人は覚えてられないようになってるんだけど、エリスはこの前、オレが変身してモグラを倒したことを覚えてるんだよね?」
「はい、しっかり覚えてますよ。魔物が魔法を打ってきて、それをシュンさんが守ってくれて、変身して倒してくれました」
「そこが不思議なんだよな。エリスって、クリオールに来る前に、神様に会ったことがあるとか、加護を受けてるとかある?」
「いえ?私はクリオールに来る前は冒険者をしていましたけど、神様に会ったことも声も聞いたこともないですよ。冒険者になる前は、獣人の集合国家の一つ、狐人族の国で普通に暮らしてましたし」
「そっか。神に関係してたらエリスがオレのことを覚えてても不思議じゃないと思ったんだけど、そうなると、オレと密接な関係を持ってるからってことなのかな」
まあ、確かにオレもこの世界でここまで人と深く関わることになるなんて思ってなかったから、抜けがあったのかもな。
「愛の力ってことですね!」
「・・・言っててはずかしくない?」
「シュンさんは私のこと愛してないんですか?」
「あああああ、痛い痛い痛い、耳つねらないで。愛してるから!やめて!」
◯万年と2千年前から愛してますからー。
「しょうがないですね」
自分で耳をつねっておいて、今度は優しくさすってくれる。
これが飴と鞭というやつか・・・。堕ちてしまいそうだぜ。
「でも、エリスってオレが異世界から来たって話を信じるの?」
「はい、信じます」
「自分で言っててなんだけど、どうして?」
「うーん、そうですね。シュンさんが組合に来た時のことを思い出したら、何も知らなかったのも納得できたからということと、シュンさんがよくお風呂で私の聞いたことのない歌を歌ってるからですかね?あれって、前の世界の歌ですか?」
ホワッツ!?
「・・・聞こえてたの?」
「はい、私、耳がいいので。あと、台所でもたまに鼻歌を歌ってますよね。変わった歌だなって思ってましたけど、異世界の歌だったんですね」
は、恥ずかしいいいいいいい。完璧に油断してた。
「・・・死にたい」
「えー、いいじゃないですか。シュンさんの歌好きですよ。今度歌ってくださいよ」
チラッと見上げたエリスの顔がニヤニヤとしていた。
「絶対嫌だ」
「そんなこと言わずにー」
っく、おのれ・・・、次からは魔法で防音しておこう。
「・・・エリスは、今までの話を聞いても、オレと一緒にいてくれるのか?」
「シュンさんは、シュンさんですから。ただ、1つだけはっきりさせないといけないことがあります」
エリスの声が真剣な声になる。
「はっきりさせないといけないこととは?」
「シュンさんと子供が作れるかどうかです」
「・・・あー、そうね」
「今はまだいいですけど、未来を考えたら重大なことです。で、どうなんですか?シュンさん」
「多分、それは大丈夫だと思うよ。オレの体は元々人間、人族のものだし、前の世界でもオレの国の神様は、神様同士で子供を作ってたくらいだからね。ただ、オレの寿命はどうなるかわからないけど」
「ならいいです。シュンさんが長生きするなら、ちゃんと私のことを看取ってくださいね」
そんなことを笑顔でいうエリスを見ると、敵わないなあという気持ちになる。
「しわしわのおばあちゃんになっても愛してあげるよ」
「ふふ、ならシュンさんが寂しくないように、たくさん子供を産んであげますね」
「いや、そのあたりは手加減してくれていいかなあ・・・」
「いーえ、覚悟してくださいね」
ま、未来のことはわからんし、なるようになるだろ。
今はこの時間を楽しむこととしよう。
明日からは4話の始まりです。
朝7時に更新予定ですので、よければ次話もお付き合いください。
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