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いつもお読みいただいてありがとうございます。

3話の始まりです。

皆さまの暇つぶしの一助となれば幸いです。


メイヒムの街にて大豆とてん菜のようなものを手に入れたので、栽培を試してみようと思う。ちなみに、てん菜のようなものから砂糖ができることを貿易船の船員から確認している。また、大豆のようなものから豆腐を作っている話を聞けたので、これは大豆として扱って問題ないだろう。しかし、醤油を作るには(こうじ)をどうするかだ。まあ、そこはおいおい考えよう。まずは、この2つの作物を増やすのだ。


その為の場所を確保するためにどうするか。

そこで、オレの力が出てくるわけだ。オレがこの世界で分けた神の力は6つ。しかし、実のところオレの中にはもう1つだけ力がある。最初はすべての力を6つに分けようとしたが、そうすると自分の存在も消えそうになったのだ。まあ、自分の中身を変換(へんかん)するようなものだから、神の力を全て変換したら存在できんよね。


そして、大部分を6つの属性に変換したから、残った力としては他の6つに比べるとかなり弱いものになる。とはいえ、腐っても神の力だ、その強さは他の人と比べると明らかに格が違うだろう。まあ、クリオールの街の冒険者達を基準とした場合なので実際のところはわからんが・・・。


少し話が()れたが、神の力を6属性に変換したことで残った力。つまり、6属性以外の属性があるということをオレは知る事ができたのだ。そして、それは亜空間を作れることから空間系の属性だろう。

フフ、オレは、それを空属性(くうぞくせい)と名付けたよ。


オレが調べた限りでは、この世界の魔法は6属性しか確認できていない。氷属性(こおりぞくせい)などは派生属性(はせいぞくせい)と呼ばれ基本属性ではない。しかし、迷宮から出る魔法袋(まほうぶくろ)付与(ふよ)された亜空間という存在が、空属性(くうぞくせい)が存在することを裏付(うらづ)けている。今回はその力を使って、地下に部屋を増やそうと思う。


ところで、我が家は入り口とは別に、居間に扉が2つある。庭に出る扉と風呂やトイレ、寝室につながっている廊下へ出る為の扉だ。

居間から廊下に入りオレの寝室の扉の前に行くと、足下に鍵のついた四角い(ふた)が存在する。その蓋を上げると地下室へ続く階段が姿を見せる。この入り口が亜空間の力を使って、勝手に増築した地下室につながっている。


階段を降りると真っ直ぐ伸びた通路、その左右に扉が1つずつある。右側の扉が倉庫で、左側の扉が魔道具を作ったり錬金したり、工作をする為の趣味部屋だ。


オレは、左にある趣味部屋の隣に等間隔(とうかんかく)で入り口を2つ作る。扉は後でつけるとして、その入り口を起点(きてん)として、畑が作れるくらいの広さの部屋を作り出す。そこへ、亜空間に前もって収納しておいた東の森の土を()()めていく。もう1つの入り口も同じように部屋を作って完成。

その後は、趣味部屋に入り木材を加工してドアを作って、作成した畑部屋の前に取り付けた。




さて、ここからが問題だ。地下である為に日光が届かない。空気や排水などは、オレの力でどうとでもなるのだが、日の光はどうしたものか。まあ、今回栽培するのは異世界作物(さくもつ)、地球にあるてん菜や大豆そのものというわけではないので、日光じゃなくてもどうにかなると信じよう。


まずは、日光ではないが光を出しつつ、部屋の温度を保つ為に必要な魔道具を作ることにしよう。ちなみに、魔道具とは、魔石を加工して様々なものに取り付けたり、組み合わせたりすることで便利に使える道具のことだ。


趣味部屋に入り魔石を取り出す。取り出した魔石は黒く、大きさもまちまちで(そろ)っていない。このままでも使えるが見栄(みば)えを綺麗(きれい)にしたいので、魔石を加工して大きさを(ととの)えて(かど)をとっていく。オレはステップカットの形が好きなので、そのように加工していく。


街にも魔道具作成を生業(なりわい)にしている人がいて、その人達の腕の見せ所の1つに魔石を綺麗に加工することがあるらしい。オレは人に見せたことがないので、自分の腕前はわからないが、趣味だし気にしなくていいだろう。


カットが終われば、次は魔石に効果を付与(ふよ)する。効果を付与する方法としては、自分の中で属性変換した魔素を魔石に(そそ)ぐ。この時、魔石の(しつ)によってどれくらいの魔素を注げるかが変わる。

質が悪いものは注ぐ魔素の量に耐えきれず割れてしまうので注意が必要だ。


オレは慎重に魔素を光属性へ変換しつつ魔石に()める。これで発光しつつ部屋を温める効果が付与できるはず・・・。魔素が注がれる魔石は、黒色から徐々に綺麗な白色へ変色を始める。魔石が白へ染まりきったら、最後に効果を定着させる為に魔法文字を刻む。


刻むとはいったものの、これは注いだ魔素が製作者のイメージによって文字を形成するといったほうが正しい。なので、この文字を見れば誰が作ったのかがわかったりする。そして、この形成された文字は、イメージを形にしたものなので、文字を解析されてしまうと他の人でも同じ効果が付与できてしまう。その為、人によっては文字そのものを秘技(ひぎ)とし、魔石に保護(ほご)を組み込み他者へ見せないようにする人もいる。


ちなみに、オレも保護を組み込み文字を隠す。無理矢理読もうとすれば魔石が(くだ)けるようにしてある。なぜなら、オレがイメージする魔法文字は、この世界の文字ではなく漢字だからだ。まあ、見られたところでこの世界の人にはなんじゃこりゃってなるだろうが、トラブルの(もと)になりそうなので見せないようにしておく。


しばらくして、魔石に文字が形成(けいせい)される。今回の文字は『高温発光(こうおんはっこう)』だ。文字はあくまでイメージを形にしたものなので、別の文字であっても同じ効果がでる時もある。


「ふう、よかった。文字も問題なく定着(ていちゃく)したし、無事に完成したな」


1つ完成させたことで勝手がわかったので、作物に合わせた温度設定になるように調整して、必要数を作っていく。できた魔石を部屋に吊るせるように、道具に組み込んで完成だ。


完成した魔道具を畑部屋に設置し終わり、とりえあず様子見で少量の大豆とてん菜を植えていく。作業が終わりに差し()かったところで、エリスがオレを呼ぶ声が聞こえた。どうやら一日中作業していたようだ。地下にいると時間がわからなくなるな。


では、無事に育ちますようにと祈りながら、今日はこの辺で終わるとしよう。

よければブックマークをお願いいたします。


更新は基本的に7時更新です。


あと、以前の投稿を改稿しているのは、

文章の言い回しや改行をしたりしているだけなので、

話の流れには影響ありません。

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