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14_15

いつもお読みいただいてありがとうございます。


評価していただいた方ありがとうございます。ありがたや。

14


階層(かいそう)()りてからも風を使い下層への()(ぐち)を探し、サクサクと降りていき、15階層へ降りる階段の前にいる。

ここに来るまで出会ったのは、ゴブリンのノーマル、アーチャー、マジシャンといったゴブリン(しゅ)だけだった。おそらく15階層を越えてから昆虫系(こんちゅうけい)が出てくるんだろうな。あと他の冒険者のパーティーにも出会った。

10階層超えたあたりから、1人でいるもんだから、こいつマジかよって顔されてしまったな。オレとしては、他の冒険者が魔物を倒してくれたから、あまり戦わずにこれて楽だったんだが。


14階層からの階段を降りると広い空間に出た。ここに階層主(かいそうぬし)がいるのかと思ったが、周りを見回(みまわ)しても魔物1匹いない。そして、降りた階段からまっすぐ正面の壁を見ると黒い穴が開いている。

魔物がいないってことは、ここは安全地帯なのかな。オレ以外に人がいないんで確かめる(すべ)がない。ふむ、迷宮についての情報収集が足らなかったな。反省しつつ、とりあえず進んでいこうと思う。しかし、穴を潜ろうとした瞬間に見えない壁のようなものに当たり、前に進めなかった。


「あれ?何だこれ?壁か?」


手を当ててみると壁のようなものを感じる。押してみるがびくともしない。

あ、これ中で誰かが戦ってるんだな。なるほど、他の人が戦ってると別の人は入れないのか。

てわけで、入れるようになるまで適当に休憩(きゅうけい)することにした。ご飯を食べ終えてまったりしつつ、定期的に石を穴へ投げていると、ふいに石が見えない壁に当たることなく飛んでいった。


「お、ようやくか」


入れるようになったんで、穴へ入ろうと立ち上がると、階段から降りてくる3人の冒険者パーティーが見えた。向こうも、オレがいるのがわかったらしく、3人の冒険者のうちの1人が大声で呼びかけてきた。


「おおーい、兄さん。ちょっと待ってくれ〜」


ん?オレに何かようなのかな。3人の冒険者がオレの方へ歩いてきた。


「兄さん、1人かい?」


「ああ、そうだが、どうかしたか?」


「黒髪で1人で迷宮にきた兄さんがいるって見張(みは)りの(やつ)が俺に声をかけてきてな。ああ、俺はパーティー”辛夷(こぶし)”のリーダーのアーベルだ。んでだ、俺は、見張りの奴と知り合いでな。1人で迷宮に入った冒険者が、中々帰ってこないって言うんで、見つけたら声をかけてくれって頼まれてな」


「あー、あまり深く(もぐ)らないって言ったような気がする」


「なるほどな。確かに15階層まで来てたら中々戻ってこないわな。しかも、兄さんこの先に進もうとしてたな?」


うーん、何て答えようかな。さすがに止めてくるかな?

見張りの人も心配してくれるのはありがたいが、その優しさが迷惑というか・・・。まさか、他の冒険者にも声をかけてたとは。とはいえ、ここは正直に答えるとするか。


「ああ。見張りの人には悪いけど、この先に用があるんでね」


「そうか・・・。ま、冒険者は自己責任だ。俺に止める権利なんざねえわな。兄さんも1人でここまで来れたみたいだし、この先の階層主(かいそうぬし)にも勝算があるってことだろうしな」


「もちろんだ」


「ならいい。この先は階層主を倒すか、死ぬかのどっちかだ。頑張れよ、兄さん」


「ああ、ありがとう。んじゃ、行くよ」


アーベル達と別れて、穴の中に入る。すると、穴の入り口に透明な壁が出現する。

オレが穴に入ってからちょっとして、残ったアーベル達が話をしていた。


「リーダー、行かせて良かったのか?」


「しょうがないだろ。引き止めようにも、何て言って引き止めるんだ?仮に一緒に戦おうって誘うにしても、よく知らない相手と一緒に戦うなんて、自殺行為だぞ?」


「まあ、それはそうなんだが」


「おい、見ろ。階層主の入り口が通れるようになったぞ」


「まさか!?早すぎるだろ」


「だが、ほら、石を投げても跳ね返らない」


「リーダー、これは・・・」


「ああ、やはり1人は無謀(むぼう)だったか・・・」


という会話があったとかなかったとか。


一方アーベルと別れてすぐの事、穴を(くぐ)って一本道を進むと、先ほどの安全地帯と同じくらいの広い部屋に辿り着いた。すると、部屋の中央に黒い煙が集まり大きい蟷螂(かまきり)の形をした魔物が1匹現れた。こいつが階層主のレッサーマンティスだな。


「さて、ここも通過点なんでな。さっさと倒させてもらうぞ」


レッサーマンティスの大きさは、体長2メートルくらいってところかな。

オレは剣を抜いて、レッサーマンティスへ走っていく。レッサーマンティスは、向かってくるオレを迎撃(げいげき)しようと、(かま)になっている両手で攻撃してくる。

オレは、それを左右に体を()って(かわ)してから、目の前にあるレッサーマンティスの顔のすぐ下を狙って剣を突き刺し、間髪(かんぱつ)入れずに一気に(ひね)った。そして、横へ振り抜くとレッサーマンティスの頭と胴体が離れ、レッサーマンティスは黒い煙になって消えた。


「こんなもんかな。お、魔石と宝箱が出たか。何が入ってるかな〜」


出てきた宝箱を開けると、ダガーが出てきた。そのダガーを手に持ってみると、ダガーに付与された能力が頭に浮かぶ。


「ほう、切れ味向上の効果か。解体するのに便利そうだな」


いいのが手に入ったな。足に付けてるナイフを手に入れたダガーに装備し直す。これで、魔物の素材を()ぎ取るのが楽になったらいいな。

オレは、正面にの壁に見えた穴まで進み、そのまま(くぐ)り抜けると、地面に魔法陣(まほうじん)光輝(ひかりかがや)く部屋に辿り着いた。


「この魔法陣に乗ると、迷宮の入り口で見た場所に飛ぶんだろうな」


オレは魔法陣を無視して進み、下層へ降りる階段をみつけたので、そのまま階段を降りていった。



15


現在オレは、22階層に来ている。16階層からは予想通りに昆虫系(こんちゅうけい)の魔物が出てくるようになった。そして、迷宮の構造が変わり、14階層よりも道が広がり天井も高くなっている。

ここまでは、蜘蛛系(くもけい)蟷螂系(かまきりけい)(おも)だった。しかも、15階層で倒したレッサーマンティスが普通に敵として出てきた。最初のボスが雑魚(ざこ)キャラとして出てくるってRPGみたいだな。いいじゃないか、面白くなってきた。とはいえ、階層主(かいそうぬし)の時と違って、倒しても宝箱は出ず魔石を落とすだけだが。


22階層もさっさと進んでしまいたいが、迷宮に入って結構時間が経ってるので、今日のところは22階層で休もうと思い、生活魔法の風系統で風を起こして、休めそうな場所を探す。

すると、上から探知(たんち)に引っかかるものがあった。羽を(こす)り合わて独特な羽音をさせながらオレに向かってくるのは、蜂型(はちがた)の魔物であるハニィビーだ。森でもいたな。


ハニィビーは、お尻から出ている針をオレに向けて突進してくる。上空から来られては、さすがにカウンターで切るのは難しいので、ギリギリまで引き付けて、後ろに軽く跳んで突進を(かわ)すと、そのまま剣を振り下ろして一刀両断した。


「よし、倒したな。ん?何か落ちてる。魔石じゃないなって、おおおおお?これは!!蜂蜜じゃないか!!」


なんと、異世界甘味(かんみ)ランキングで上位に位置する蜂蜜が手に入るとは。ふふふ、巣を見つけなくても蜂蜜が手に入るというのなら、ここでしばらく(こも)るのもありだな。

新たな目標ができたな。休んだら、半日くらいはここで蜂蜜集めといきますか。

面白ければブックマークをお願いいたします。


ちなみに、前の投稿分をちょくちょく修正しておりますが、

細かい言い回しの変更や改行をしているだけなので、

話の流れに影響はございません。

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