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いつもお読みいただいてありがとうございます。


今回は閑話みたいになってしまいました。

ですので、12時に2回目の更新をいたします。


メイヒムの門の前にて門番から審査を受け、無事にメイヒムの街へと入ることができた。


「いや、今回はシュンさんのおかげで快適に街までくることができました。それに、最後は野盗(やとう)から守ってもいただいて、ありがとうございます。できれば、帰りも一緒に行って欲しいくらいですな」


「そう思ってもらえたらならよかったです。ただ、オレはしばらくメイヒムに滞在する予定ですけど、いつまでとは決めてないので、恐らくレインさんの方が、早くクリオールに戻ると思いますよ」


「そうですか。残念ですが、仕方ないですな。とはいえ、本当に今回は助かりました。何かありましたら、是非、レイン商会を頼ってください」


「はい、その時はよろしくお願いします。2人も、またな」


「はい。今回はありがとうございました。ご飯も分けてもらってすいませんでした」


「ありがとうございました。シュンさんのご飯美味(おい)しかったです。今度、お家に招待してくださいよ。ご飯食べにいきたいです」


「こら、おまえはまた図々(ずうずう)しいことを。すいません、シュンさん。気にしないでください」


「もう兄さんうるさい。兄さんのことは気にしないでください。それに」


アーティがオレにそっと近づいて、


「シュンさんのこと、格好(かっこう)いいと本当に思ってますよ」


と、上目遣(うわめづか)いで(ささや)くのだった。


「それはありがとう。アーティも可愛いから、すぐに良い人ができるだろうさ」


「むむ、手強(てごわ)いですね」


「はは、シュンさんも(すみ)に置けませんな。さてさて、名残惜(なごりお)しいですが、私はこれで失礼します。”同朋(どうほう)”のお二人はいつもの宿屋でお願いしますね」


「はい、わかりました。じゃあ、シュンさん、俺達も行きますね」


「さよならー。シュンさん」


3人を見送ってオレは1人になる。あ、どうせなら宿のこと聞けばよかったか。ま、いいか。街も見て回りたいし、冒険者組合を目指しながら観光しようかな。


メイヒムの街は船によって、いくつかの国と貿易を行っている。その為、色んな人種(じんしゅ)がこの街にいるらしい。それと、やはり港町らしく海鮮系(かいせんけい)の料理や、新鮮な魚が食べられるということで有名だそうだ。

と聞いていたんだが、街を歩いていても活気がないな。心無(こころな)しか住民の顔も暗い。そもそも、露店(ろてん)が少ない。明らかに何かあった感じだな。目の前に開いてる露店があるな、あそこで何か聞いてみるか。


「やあ、おっちゃん。魚が欲しいんだが・・・、って、種類が少ないな」


「・・・いらっしゃい。その(おどろ)きようだと、あんた他所(よそ)からきたんだな。今のこの街はこんなもんさ」


「ああ、クリオールから来たんだが、何があったんだ?街全体に活気がないな」


「そうさ。7、8日前くらいから、海の沖合に見たこともない大きな魔物が現れちまってな。おかげで、漁師は船が出せねえし、外国からの貿易船も港につけやしない。このままじゃ、商売になりやしねえ。なんとか魚を釣っても、ほんの数匹くらいしか店に並べられん。それでも、店を開けれるのはマシなほうさ」


「なるほどな。しかし、それはまずいな。オレもまさに魚と貿易品を求めて来たんだが」


「そいつは災難だったな、兄さん。とはいえ、俺らの状況は最悪だがな」


「冒険者組合はどうしてるんだ?それにこの土地の領主は手を打ってないのか?」


「最初は冒険者達も頑張ってたがな、海の上だと上手く戦えねえ。そのうちに船が沈められて為す術なくって感じだったな。領主様達も今は出す船がなくどうしようもねえ」


八方塞(はっぽうふさ)がりか。いよいよどうしようもないな・・・。ありがとう、おっちゃん。お礼にそこの魚全部もらうよ。せっかくこの街に来たんだし、魚は食べときたい」


「あいよ、ホントはこんな身の小さい魚じゃなくて、もっと脂の乗った魚を食べさせてえが、今はどうしようもねえ」


「そこはしょうがないさ。んじゃ、行くよ。いい話を気かせてもらって助かった。あと、冒険者組合には、この道を進んだらいいのか?」


「毎度あり。そうだな、この道を進んで緑色の屋根の家が見えたら左に見えてくるはずだ」


「ありがとう」


おっちゃんと別れて組合を目指す。

なるほどねえ、海に大型の魔物か。これは予想外だな。どうしたもんか。

悩みながら歩いていると冒険者組合が見えて来た。




メイヒムの冒険者組合に入ってみると、さっきまで歩いていた街と違って活気(かっき)(あふ)れていた。驚いたな。街中と違って組合は随分と活気があるじゃないか。どういうことだろう。受付嬢から話を聞いてみようかな。

空いてる受付を探してると、赤い髪をおさげにした女性の受付が空いていたので、そこへ向かう。


「すまない。初めてこの街に来たんで、ちょっと話を聞きたいんだけどいいかな?」


「ようこそメイヒム冒険者組合へ。どうかしましたか?」


「いや、ここまで来る時に街を見て来たが、街には活気がなかった。聞けば、海の沖合に大型の魔物が出て、漁に出れず、貿易船も港へ来れないということで、街の大事らしいが、ここは随分活気があるんだな」


「ああ、そのことですね。この街は元々迷宮によって生まれた街なので、冒険者は迷宮で稼ぐことができるんです」


「迷宮があるのか?初耳だ」


「確かに今は貿易の街というほうが有名ですから。でも、最初は迷宮があって、そこに人が集まり村が発展したんです。そうして、海に面したこの街に港ができて、今の形になったんですよ」


「なるほど。だから、街中と冒険者組合でこんなに景気が違うのか」


「街に活気がないのは見ていて辛いですが、冒険者の方々も大型の魔物に向かい、返り討ちにあっていますし、何よりも有効な攻撃手段がない為、どうしようもないのが現状ですから」


「ああ、聞いたよ。しかも、船が壊されてるから海にも出れないとね」


「そうですね。ただ、迷宮のおかげで街がそこまで荒れていないというのは幸いではないでしょうか」


「確かにそうだな。色々教えてくれてありがとう。勉強になったよ。最後に、宿を探してるんだが、そこそこ綺麗(きれい)な宿とかってあるかな?」


「それなら、(うみ)の宿か、(しお)(うず)という宿がいいですよ」


「なるほど、なら、そこへ行くことにするよ。ありがとう」


ということで、宿の場所を聞き、組合を出て向かった。

潮の渦という宿が海に近かったので、そこにすることにした。

さて、このままだと、メイヒムに来た意味が無くなってしまうんで、その大型の魔物をなんとかしますかね。

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