召喚あるいはカウントダウン開始1
長編が予想されますので、しおりを有効活用してもらえると嬉しいです。
誤字・脱字がありましたらご連絡ください。感想もおまちしております。
もう少しで放課後になる頃、その怪現象は起きた。教室の床に緑色の光線が現れたのだ。
どよめくクラスメイトを気にせずその線はどんどん増していく。
彼らを尻目に見て、俺は足元を走る無数の光線に驚きと美しさに次の地点を延々と眺めていた。
俺は新井田 晴海。
少し暗めの茶髪。長浜中学校で学級委員をしている中学2年生。
中学2年生という思春期なので、中二病を絶賛こじらせている。
普通の中二病の大人みたいに背伸びした行動ではなく、魔法使える俺格好いい!!系の俗に言う『厨二病』のほうである。
最強の敵に強力魔法を放ち、さらわれた姫を迎えに行ったりしたい。脳内で組み上げられる設定を強固にすべく、日夜問わず多種多様の小説を読んでいた。
ただ、厨二病であることは周りに伝えてない。仲間外れにされるのが怖いのだ。
なぜなら、いつもは陽キャの男女4人グルの中に混じり会話している。普段の4人にときたま他の人が話に来る。
クラスの中心メンバーであることは間違いなく、クラスの顔役として2人に1人は名前を出してくれるぐらいの有名人だと思う。
だからこそ厨二病のことは絶対知られたくない。
気分がわるくなったので横に目をそらすと、
口をあんぐりと開けて驚いてる男がいる。
こいつは貝谷 歩。
ちょっと小肥り気味だが中1の頃からの俺のダチ。
運動や努力などが苦手だが、懐に収まるのがすごい上手い。校長を言いくるめたときは舌を巻いた。
俺が今日陽キャグルにいるのはこいつのおかげなところが多い。
どうやら貝谷がユリに告ったことで、自然と会話がふえた。不思議なことだが当然断られたらしい。その時の泣き顔と今の顔が違いすぎて驚く。恋してるなんて羨ましい。
いつもの4人グルには、俺:晴海と貝谷、佐渡川 ユリともう一人、愛尾 華菜がいる。
そこで大きく喋る声がした。ユリと華菜の声だ。
「何これドッキリ!?気にするだけ無駄でしょww隠しカメラあって全国放映とかしているんじゃない?」
「それだ!それだよきっと!ほんと茶番とかやめてほしいよね笑。今日の予約時間に遅刻しちゃう」
たいてい先に喋るのがユリで、後が華菜であるというと覚えやすいと思う。そのあと口々に女子が口を開き始めがやがやが大きくなった。
ユリは明るい茶髪に一房だけ明るいを超えて色素が薄いのかと思わせる白髪が入っており、目は釣り目で好き嫌い激しい気性だけど女子にも人気だ。
華菜は反対に黒髪のショートヘアをしており、男子からひそかに人気高い。奥手ながら拗ねやすい性格で名前呼びを強要したのは意外にも愛尾の方だ。
ここまできてキャラ説明してることには訳がある。
俺たちは先ほどまで午後のホームルーム中で40人が集まり、担任の話を聞いていた。
その途中、魔方陣が現れたのだ。俗にいう異世界転移ってやつかもしれない。もしかしたらクラス転移という大規模な転移の可能性がある。
こんな非科学的なことに出会ったんだ。人物紹介したくなってもいいだろ。誰かが手助けを読んでるということ。主40人の中でも一番一緒にいる友達とともに異世界を旅できるのは嬉しい。
俺は学級委員だし、女子にも人気だし、絶対素晴らしい生活が確約されてるポジションである。
──クラス転移あるあるに、カースト最底辺がランク外スキルで最強になることがある。が、その代わりカースト上位のスキルはランクが落ちてもぱっと見てつよいスキルをくれることが多い。
つまり、心配事はないに等しかった
魔法陣のすべての線がつながる。それはれ俺が描いたすべての魔法陣よりきれいだった。
直後、浮遊感とともに白い空間に包まれる。クラスメイトも同じ空間に浮いていた。謎の空間で時計の秒身がなる音がかすかに聞こえた気がした。足元を見るとひと際輝く鮮やかな光。
おそらく出口が近い。
いくぞ異世界! 待ってろ最高スキル!!