素早さ超極振りと初クエスト依頼
「これいくらになりますか?」
ゴブリンを倒したロックたちはその素材を売りに武器屋の近くにある素材屋に来ていた。その内部はモンスターの角や牙、毛皮や鉱石が乱雑に置かれていた。
「うーんそうね・・・・・・結構メジャーな素材だから百エンドぐらいかな」
素材屋の店主の女性イルムはそう申し訳なさそうにそういう。
その答えにロックたちは。
「そうですか・・・・・・」
と少し残念そうに言う。
それを見たイルムは少し悩むと。
「それならあなたたちに誰も受け取らないけどおいしい依頼をしていいかしら」
そう明るい声でそう言う。
「依頼ですか?」
カエデは突然のお願いに、思わず聞き返す。
「そう依頼よ。虹ノ鉱石を近くのダンジョンからとってきてほしいのよ」
「いいですけど・・・・・・そのダンジョンってどこにあるんですか?」
「始まりの森を抜けたところにあるダンジョンよ。」
そういってイルムは引き出しから地図を取り出す。その地図は古びており、それを見るだけで高揚感がわいてくるような雰囲気を出していた。そして地図の左上の部分を指さす。
「ここよ。ここ」
そこには小さな文字で『虹ノ竜洞窟』と書かれていた。
「虹ノ竜洞窟ですか・・・・・・わかりました。ところで期限はあったりするんですか?」
場所を教えてもらったロックはそこが気になったのか、イルムに問う。
するとイルムは『安心して! 特に期限はないから!』といってにこやかに笑った。
「それではお気をつけて!」
「「「ありがとうございます!」」」
そうイルムに見送られるとロックたちは素材を入手すべく目的地の方へとあるいていった。
--五分後ーー
「ま、待ってよ・・・・・・皆・・・・・・」
さあ行こうと張り切っていたロックたちだが、さっそくAGI 0のツバキがばてていて今にも止まってしまいそうだった。このままでは目的地に着くまでに何日もかかってしまいそうだったのでロックは。
「全くしょうがないね・・・・・・私がおぶるよ・・・・・・」
「いいの? ありがとう!」
そう言ってツバキはロックにおんぶしてもらおうとするが。
「いだぁ!」
「キャッ!」
ロックの上にツバキがのしかかるという形になりながら、その場に倒れこむ。今までは剣の効果でATKがあったが、今はおんぶをするため剣は外しているので、ATK 0のロックには人をおんぶするということは不可能だったのだ。
「よいしょっと」
「いたたたたって、へっ?」
起き上がろうとしたロックがいきなり声を上げる。
「どどうしたの?」
「HPが3減ってる・・・・・・」
「「えっ・・・・・・」」
二人は思わず、声を上げてしまう。それもそうだろう。転んだだけで三ダメージも減っているのだから。なぜこんなに減るのかというと。
「あっ・・・・・・AGIに極振りしたからDEFが今0なんだ・・・・・・それでもこんなに減るなんて・・・・・・」
そう。ロックは素早さに極振りをしているため、防御力がゼロで軽い衝撃でもダメージを負ってしまうのだ。しばらくするとロックは。
「・・・・・・まあいいか。ゆっくり進もう」
そう言ってツバキでもついてこれるようなスピードで歩く。
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