素早さ超極振りと幼馴染み
「おー! とっても広ーい!」
そう言いながら辺りを見回す。辺りにはロックより速く始めた多くのプレイヤーが大盾や片手剣、杖など思って歩いていた。しかしながらその中には双剣を持っているプレイヤーは居なかった。するとその人だまりの中から。
「あっ菜乃佳!いたいた!」
そう叫びながらこちらに手を振る優奈とその友達の川崎茜がこちらに手を振っているのが見えた。
「菜乃佳じゃなくてロックだよ! 待ってて!」
ロックは優奈達にそう返事をして、そちらの方に走ろうとした時だった。
「へっ!」
「「えっ」」
走ろうと踏み込んだ瞬間、いつもより数段速いスピードでふたりに近づいていたのだ。突然のことにロックを含む全員が驚いている。
「えっ今のどゆこと?」
カエデが戸惑いながらロックに問う。
その質問に対してロックは。
「なんでって・・・・・・あっ! 素早さに極振りしたからだ!」
理由を思い出し、納得したと言わんばかりに手を打つ。
それを聞いてカエデは。
「はあ? 菜じゃなくてロックはバカなの!? なんでよりにもよって素早さに極振りするの!?」
そう言いながらロックの方に詰め寄る。
「幸運値に極振りしたカエデが人のこと言える立場なのかな~?」
「・・・・・・」
ツバキがぽつりと言ったひと言で動きが止まる。しばらくしてつかんでいた襟首を話すと、負け惜しみと言わんばかりに。
「そ、そう言うツバキだって防御力に極振りしてるじゃん!」
そう言うが。
「私はね皆を守りたいと思って防御力に極振りしたの! 現実で運が悪いから、ゲームの中だけでもって言って幸運値に極振りしたカエデとは違うの!」
仲間思いで、正論しか言っていないツバキの言葉に言い返す言葉もなかったのか、話題をそらそうと。
「と、ところで皆最初に貰ったお金持ってる?」
「持ってるよ?」
「持ってるけど」
ロック達の返事を聞いたカエデは今さっきの出来事をもう忘れたかのように笑いながら。
「皆で、必要な物揃えよう!」
そう言った。
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