素早さ超極振りと初ログイン
「よしっ準備完了! ログインするぞ!」
途中なぜか全身を触らないといけない過程があり、少し戸惑ったりしながらも、結果的に優奈のメモがあったおかげで予想以上に早く終わったので早速奈乃香はVRMMOにログインする。
「よしっダイブ成功ッ!」
その瞬間奈乃香の意識は現実ではなく技術の塊のネットの世界に入っていく。
しばらくすると視界にの中心に。
『ログイン成功。名前を記入して下さい。』
パッとそう表示が出る。そしてそれが消えるのと同時にフォゥンとおとを立て、とても薄いスマホのような入力装置が出てくる。
「うーん。名前か・・・・・・どうしよう?」
菜乃佳はその入力装置を前に髪をクルクルさせながら悩みこむ。
「本名はあれだしね・・・・・・うーん、キラキラネームも嫌だしとりあえずこれにするか。」
そういって菜乃佳は入力装置に『ロック』と打ち込む。そして『OK』と書かれた文字を押すとパリンと音を立て消える。そして次は。
『次は使用する武器を選んで下さい』
そう書かれた案内が表示される。そしてそれと同時にいくつもの武器が菜乃佳の前に現れる。そこには大盾や片手剣、杖やメイス、弓に双剣など、豊富な種類の武器があった。
「うーん武器かー。攻撃受けるのは嫌だし、遠距離からチクチク攻撃するのもあまり好きじゃないし・・・・・・。」
菜乃佳は使用する武器が決まらず、辺りをウロウロする。そのたびに足元からチャポンという音が静かに響き渡る。
「ボールとかのコントロールは良くないし、重いのも持ちたくないし、出来れば軽いやつが・・・・・・あった!」
そういって菜乃佳はとある武器の前に立ち『これにする』と書かれた表示を押す。菜乃佳が選んだ武器はというと。
「双剣なら、軽いし両利きの私にぴったりだね!」
リーチが短く、基礎攻撃力が低くあまり選ばれることのないマイナーの双剣を選んだのだった。
「えっとつぎはステータスの選択か。追加できるポイントは固定で百ポイントで・・・・・・ふーんさらに追加でどのくらい振れるかはこのルーレットで決まるんだ。」
そういって菜乃佳はステータスに振れる量を決めるルーレットを回す。
「さあどのくらい振れるのかな? ってやった!」
菜乃佳はその結果を見て喜ぶ。その結果は最大量の一百ポイント。当たる確率はたったの千分の一の最大量を引き当てたのだ。
菜乃佳はうれしさのあまり、その場で跳ねまくる。
「さて次はどのスキルにどのくらい使うかなんだけど私はもう決めてるんだよね!」
そういって菜乃佳はためらいもなくすべてのポイントを素早さに入れる。
何故かというと。
「素早さに極振りすれば、時間を有効に使えるしね!」
ということらしい。なんとも真面目な性格なのだ。しかも時間に関することに対してはいつも以上に真面目な性格になるのだ。なんとも不思議な人格なのである。菜乃佳は『OK』の表示を押す。すると。
『すべての行程が完了しました。これより第一層に転送します』
そう書かれた表示がアナウンスとともに現れ、それと同時に菜乃佳の体が光りの粒子となって空へと飛んでいく。
面白いと思った方は『ブックマーク』『評価』をお願いします。