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空母 双龍 東へ  作者: 銀河乞食分隊
燃えるミッドウェー
20/62

機動部隊奮闘す

先に見つかってしまった第一機動艦隊

どう生き延びるのか

 敵機は次々とやって来た。五十機程度の編隊4個が時間差でやって来た。

 奴らの狙いはこちらと同じだ。まず空母だろう。最大戦力を無力化すれば後はやりたい放題だ。


「梯団を最初の梯団を甲、次の梯団を乙、3つめの梯団を丙、最後の梯団を丁とする」

 

「瑞鳳・龍鳳の戦闘機隊に命令。瑞鳳戦闘機隊は、最初の梯団を迎撃せよ。龍鳳戦闘機隊は次の梯団を迎撃せよ」


「瑞鳳戦闘機隊は、最初の梯団甲を迎撃。龍鳳戦闘機隊は次の梯団乙を迎撃。指示を出します」


「千歳と千代田は分離したか」


「両艦とも五十海里後方に下がりました」


「翔鶴・瑞鶴戦闘機隊には絶対艦隊の防空を優先するよう伝えておくように」


「火龍・雷龍戦闘機隊は、丙と丁の梯団を迎撃に向かわせる」


 次々に指示が下され伝達されていく。


 翔鶴艦長から疑問が出された。


「本艦と瑞鶴戦闘機隊は迎撃には使わないのですか」


「残念だが、練度の差だ。瑞鳳・龍鳳の戦闘機隊には、赤城と加賀の連中が入っている。火龍・雷龍は言うまでも無い」


「残念です。帰ったら猛訓練ですな」


「そうしてくれ。だがまずは今を生き残ることだ」


 電探や無線によると、甲乙共に編隊を崩されていると言う。迎撃はうまくいっているようだ。

 艦隊前面に出ている大和の対空砲火がすさまじいようだ。

 敵編隊は大和を迂回しているという。

 艦隊周辺に展開している翔鶴・瑞鶴の戦闘機隊もうまく迎撃しているようだ。

 丙と丁の編隊も火龍・雷龍戦闘機隊に取りつかれた。

 

 瑞鳳戦闘機隊では

「こちら太田、二十ミリ残弾無し。十三ミリでは効果が薄い、補給に戻りたし」

「無駄玉を打ち過ぎだ。太田。ぐっと近づいて急所に二・三発当てれば落ちるぞ」

「そんな事が出来るのは、西沢飛曹長と坂井飛曹長くらいなものです」

「大丈夫だ、俺たちが出来るのだ。お前達も出来るようになるぞ。多分」

「いつになりますかね」

「生きてりゃその内なるだろ」

「太田、落とさなくても敵の投弾を妨害すれば俺たちの任務はなされたことになる。艦隊の被害を防ぐのを第一となせ」

「「「「分隊長」」」」

「太田はまだそれでも残弾があるな。残弾無しの者もいる。一回補給に戻れるか聞いてみる」

「おねがいします」

 龍鳳の戦闘機隊でも同じようなものだった。

 遠距離阻止迎撃に出た飛行隊は皆残弾少なく、補給しなければ次の敵に対して有効な反撃が出来なかった。


 機動部隊は迎撃網を抜けてきた敵機の攻撃を受けていた。

 雷龍も例外では無かった。


「左舷雷撃機接近中、機数二」

「面舵用意」

「機銃で迎撃だ、急げ」

「面舵」

「高角砲間に合いません」

「一機撃墜、一機なお接近中」

「面舵一杯急げ」

「敵機投雷、雷跡接近中」

「雷跡近い」

「衝撃に備えよ」

「雷跡本艦左舷を通過」

「敵機直上、投弾しました」

「見張りと機銃、何をしていた」

「敵弾来ます」

「伏せー」


 激しい爆発音と衝撃が襲ってきた。


「艦橋前部飛行甲板に被弾、火災発生」

「消火急げ」

「こちら電探、敵機、八時の方向、高度三千接近中、機数三から五」

「左舷高角砲急げ」

「左舷前部高角砲今の被弾で損傷、作動不能」

「左舷前部機銃群今の被弾で死傷者多数、機銃も損傷、作動不能」

「舵そのまま、機関そのまま、総員被弾に備えろ」


 1発、2発はそれた。3発目は至近弾か、4発目

 激しい衝撃と爆発音。


「敵機撃墜」

「左舷後部高角砲に被弾、高角砲一基喪失。機銃も多数作動不能、死傷者多数」

「本艦左舷対空火力ありません」

「直衛艦は本艦左舷を守るよう通達」

「電探です。敵機機影ありません」

「舵戻せ。機関前進原速」

「飛行甲板の火災はあと十分ほどで消火可能」

「艦長、こちら機関。缶室機械室とも健在。機関全力発揮可能」

「左舷至近弾での浸水確認されず」

「旗艦より、被害状況報告せよとのことです」

「主計、被害状況をまとめ報告せよ」

「砲術長、損害はどうか」

「艦長、左舷高角砲は前部は電路切断。人力なら動かせますが、有効な対空射撃は出来ないでしょう。砲員は全員死傷。左舷前部高射装置はおそらく艦上では復旧不能。左舷後部高角砲は、高角砲一基、被弾により喪失。残る一基も防塵の変形が激しく動かせません。防塵内の人員は打撲と裂傷くらいです」

「左舷の機銃も被害がひどいです。無事ななのは、最前部の機銃二基だけで、残りは全て損傷。機銃員も多くが死傷しています」

「右舷側は被害ありません」

「ひどくやられたな。本艦の左舷火力は消滅か」

「はい。残念ですが」

「艦長、火災鎮火しました」

「艦長、主計です。被害状況の第一報です。引き続き調査します」

「早いな。待っていたが、ひどいな」

「はい、左舷の対空砲火群が特にひどいです。砲術長から聞かれたと思いますが。飛行甲板は、前部飛行甲板に破孔。飛行甲板の端に被弾しましたので、外部スポンソンの高角砲や機銃が被害を受けました。爆圧の多くは開口部と左舷被弾箇所から抜けた様で格納庫に深刻な被害はありません。上部格納庫で組立中だった補用機が二機全損です。下部格納庫に被害はありません。消火配管に異常なし。燃料配管も異常有りません。前部エレベーター、中央エレベーター、後部エレベーターとも異常なし。カタパルト二基以上なし。着艦制動装置異常なし。前部の被弾による弾片で艦橋に被害が出ました。人員の被害は別途報告します」

「良くやってくれた、主計長。空母としてはまだやれるな。よし、旗艦に報告するか」


 旗艦では各艦の被害集計に忙しかった。

 先程も雷龍の被害報告で、左舷対空火力全滅と痛い報告があったばかりだ。発着艦が可能と言うことが救いだった。

 龍鳳は、前部エレベーターに被弾、直進甲板での発艦不能、火災発生。火災は先程よりも煙は減っている。鎮火も近いだろう。火災対策として速度を最低舵効速度まで落としている。ほんとは止まりたいだろうが戦場だ、最低でもすぐ動けるようにしないといけなかった。

 鎮火までにかなり本隊と離れることが不安だが、強力な護衛が居る。大丈夫だろう。金剛が艦首に一発被雷して速度が出せない。龍鳳と行動を共にするようだ。

 那智は艦尾に至近弾を食らい、スクリュー損傷で速度が出ない。金剛に合流するよう命令を出した。

 早潮が至近弾での浸水が激しく行き足が止まった。総員退艦命令が出たようだ。

 でかくて目立つ大和に群がってくれれば良かったが、対空砲火が強烈すぎて近寄る敵はいなかったようだ。

 

「敵の二次攻撃は有ると思うか」


「有ると思います。おそらくあと十分ぐらいで襲来するのでは」


「直援機の補給が済み次第上げよう。搭乗員には頑張ってもらう」


「斜行甲板は発艦と着艦を分けて行うことが出来るので、こう言う時は助かります」


「本艦の斜行甲板は先っぽを吹き飛ばされて着艦のみですが」


「龍鳳の機体は本艦と瑞鶴に分けて収容しました。すぐに補給が終わって発艦していくでしょう」


「金剛と龍鳳を後退させたいが時間が無い。影月、冬月、第十四駆逐隊を付けて分離する」


「瑞鳳は二航戦に合流させる」


「東雲沈みます」


 ここからでは見えないが、東雲が沈むようだ。良く空母の護衛を果たしてくれた。全員で敬礼した。

 予想される敵の二次攻撃以前に我が方の第二次攻撃隊を準備させるのは無理であると言うことで、戦闘機のみ全機発艦させた。


「我が方の攻撃隊の帰還が後三十分後くらいです。敵の襲撃とかち合わなければ良いのですが」


「阿賀野より通信、電探に反応、敵編隊近づく。距離七十海里」


「まずいですね。かち合います」 


「阿賀野より通信、味方機敵編隊に向かう」


「攻撃隊でまだ燃料・弾薬に余裕のある戦闘機でしょうが、どの程度やれるのでしょうか」


「翔鶴・瑞鶴の戦闘機隊を迎撃に向かわせろ」

 

「迎撃に向かわせます」


「味方攻撃隊に連絡、燃料に余裕のある機体は上空待機。余裕の無い機体は金剛周辺に不時着せよ」


「燃料に余裕有る機体は上空待機、余裕の無い機体は金剛周辺に不時着、了解しました」


「本艦の電探も探知しました。距離七十海里」


「直衛機の補給はどうだ」


「あと十分で終わります。敵の襲撃には間に合います」


「よろしい」


「龍鳳より通信、火災鎮火、我着艦可能」


「金剛周辺に不時着を変更、龍鳳に着艦せよ」


「金剛周辺に不時着を変更、龍鳳に着艦せよ。了解しました」


「直援機全機発艦終了」


「なんとしても飛行甲板を守らねばな」


「はい、帰投した連中の帰る場所が無くなりますから」


 敵の二次攻撃は機数が少ないこともあり、迎撃網を突破した機体は多くなかった。

 しかし、奴らも精鋭だった。多数の被害を艦隊に与えた。

 火龍が右舷艦橋下部に魚雷を一発もらった。同時に急降下爆撃の一発が艦橋に命中。

 金剛はもう一発食らった。隔壁に無理が掛かり前進が出来ないようで、後進でサイパンに向かうと連絡が入った。持つのだろうか。

 初雪が発射管に直撃弾を受けたようで爆沈。

 翔鶴が斜行甲板先端に再度被弾した。

 他にも数隻が至近弾で損傷した。


 損傷艦のうち浸水被害のある艦は、金剛・火龍・那智への合流を命じた。

 火龍に残っていた搭載機はカタパルトで発艦。各空母に分散された。

 第十四駆逐隊はこれら損傷艦の護衛任務に就いた。

 損傷艦部隊は千歳と千代田と合流して、マリアナを目指すことになった。


 龍鳳は再び瑞鳳と戦隊を組んだ。着艦だけでも出来る飛行甲板が増えるのは搭乗員の安心につながるだろうという判断だった。

 龍鳳を護衛していた、影月、冬月、は第六航空戦隊に復帰。

 雷龍・三日月・凉月は第六航空戦隊に一時編入された。

 再び前衛艦隊に復帰、第十二駆逐隊の護衛を受けることになった。

 第三駆逐隊は原隊復帰で第四水雷戦隊であった。気心の知れた戦隊に戻すと言うことは、艦隊戦をやる気なのだろう。


 第一機動艦隊を発進した攻撃隊は、敵甲部隊を襲撃。空母一撃沈確実、空母一撃破、戦艦二撃破、巡洋艦二撃沈確実、巡洋艦四撃破、駆逐艦三撃沈、駆逐艦多数撃破、と言う大戦果を上げて帰還した。

 出撃百八十機、帰投したのは百四十二機だった。




敵艦隊攻撃場面がありません。ごめんなさい。

いずれ出します。

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