初日
死んだ俺が次に目覚めたのは、玉座の前だった。
「目が覚めたか、佐久間よ」
聞き覚えのある声が聞こえた、その方向を見た俺は、言葉を失った。
目の前にいたのは、巨大な骸骨だったのだ。しかし、いつまでも黙っていたらこの怪物の怒りを買うかもしれない。なので、俺は、話をする事にした。
「ああ、なんだか体がだるいな」
「ああ、それは、その体に慣れていないからだろう」
「ん?どういう事だ?」
「ああ、転生するのにちょうどいい体がそれしか用意できなかったんだ。鏡を見てみろ」
俺は、言われたとうり鏡を見た。また、言葉を失った。
その姿は、歯は、全て牙になっていて、耳はとんがっていて、色は灰色になっていた。そう、俺も化け物になっていた。
「なっ何じゃこりゃーーーーーーー!!!!」
「そんな慌てるな、すぐに慣れる」
「そうゆー問題じゃないんだよ!俺の元の体はどうした?」
「言った筈だ、消えて無くなる、と」
「クソが!本当に消えて無くなるってことだったのかよ!」
「ああ、だが安心せい、その体の方が前の体より遥かに強いぞ」
「そうなのか?それなら、仕方ねーか」
俺は、取り乱したが、前の体には、言うほど未練は、無かったのだ。それよりも、この体が前よりも強いと聞いた時、俺は嬉しかった
(強いなら前よりも殺せる!早く殺したい)
と、思ったのだった。
しかし、俺は、馬鹿じゃない。状況の把握が優先だと思い王に聞く事にした。
「おい、リミットよここはどこなんだ?」
「ここは、悪魔城スクロールだ、そして私がこの城の王だ」
城と言っていたが、人の姿が少ないと思った俺は、こう聞いた
「お前王様だったのか?でも、城にしては人がいないじゃないか」
「痛いところを突いてくるな、かつてはこの城も賑わっていたのだよ、しかし、今は私とお前しかいないのだ」
「そうなのか?他のやつはどうしたんだ?」
「ある日突然人間どもが、魔物退治と言ってこの城を攻めて来たのだ、そして、王である私を守り皆死んでいったよ」
「そうか、嫌なこと思い出させてすまねーな」
「いや、かまわん、お前にも知っておいて欲しかったしな」
「そうか、それで人間どもに復讐をするために俺を呼んだんだな?」
それなら、俺は、人を殺せるし、こいつは、復讐ができる。これは、こっちに来て正解だったと思った俺は、こう話した。
「俺は前に約束したとうり、お前に服従する、しかしこの体に慣らさなければいけない、武器も欲しい、どうにかできないか?」
俺は、早く戦いたかったのだ。
「そうか、なら吸血鬼の城を攻めて来るがよい」
「いやいや、俺は、体をならしたいの、吸血鬼なんてボスみたいなんは、かてるわけがないだろ!」
「いや、そうでもない、あいつらは、昼間は力が半分くらいになるし、あいつらも私達と同様人間に攻められ弱体化しておる、だから、今がチャンス何だよ」
なるほど、それなら、俺でも戦えるか、そう思い俺はさらに質問をした。
「なるほどな、それなら大丈夫だ、それと、武器はどうする?」
「武器は吸血鬼の城に、生き血をすする剣があるらしい、今回はそれが目的だ」
「なるほど、そいつは、いいね!それまでは、適当な武器を使えと言う事か、それはそうと、いつ出陣する?」
「初陣は明日の昼とする、それまでは、案内する部屋で明日に備えてもらおう」
「ああ、わかったぜ」
そう答えると、自分の部屋に案内された。
部屋は、とても快適だった。
(こいつは、最高の部屋だ感謝しないとな。よし、明日に備えて寝るか)
そう考え、俺は眠りについた。