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嵐のあとに凪が来る  作者: 花染
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 やはり私の予想どうり昨日出会った女性は、ここの人ではない事が分かった。いや、初めから気づいていたが、解っていたが、可能性的に考えて気付かないフリをした。


 新人なのだろうと私は、そう思い込んでいた。


「どうしたの?」

「なんでもありません」


 万が一Aが、あの女性だと考えると私は、エルの死因を探っている事も知っている。先生の家を襲った人や私たちを追い回していた人が、あの女性に繋がっているとすれば、命を狙われているのは、先生ではなく私だ。


「じゃあ、今度は、私からの質問ね。

 アミーさんは、レイディアント博士の事好きなの?」

「え……へぇ!?」


 意外なの質問に私は、頭の中が真っ白になった。先生の事が好き。好きか、嫌いかと言えば、好きな方だけど……


「どうして、そんな事を聞くのですか?」

「だっていつも博士と一緒にいるでしょう?行き帰りもランチも何時も一緒だし……アミーさんが男性と話していると博士ってすごい顔で男性を睨んでいるよ」

「……家が近くだし先生は、よく寝坊するので連れて来てるだし、ランチは、先生がかなりの変食なので、早死にされると嫌だから栄養バランスを考えて欲しいので、一緒にいるだけです」


 それに先生といると楽しいし、何でも知っているから、質問にちゃんと答えが返ってくる。ちょっとだけ先生が他の女性と話しているとイラっとするけど……でもこれは、恋心ではなくて


「アミーさんって真面目だし、律儀だけど自分の事を考えてない見たいだけど……自分が思っているほど、恋っていつのまにかしているんだよ。いつのまにか好きになって、いつのまにか想って、いつのまにか愛が生まれているの」


 そう言って女性は、微笑んだ。いつのまにか恋をしている。私は、先生に恋をしている?


「私は、先生の事が好き?」

「いや、私に聞かれても」


 そうだよな。そんな事を聞いても私以外誰もわからない。好きと言うのは、どう言う事なのだろうか?私的には、恋というのは、トキメキがあって心の中が何時も虹色に染まっていて、その人を思えば思うほど胸が苦しくなる事だと思っている。


 私にとって先生は、安心と居心地の良さ、信頼できる人で、隣にいると自信がみなぎってくる。だから、これは、私的イメージの恋とは、違う。


「loveの好きとlike好きって同じ好きでも意味は、違うよね。loveって簡単に言えなしかと言って愛しているって尚更。

 簡単に言えるのって、広く大きく言えるLoveよりもlikeだよね」

「……なら、私は、先生の事をloveではなく

 likeだと思います」


 一人個人の人間として好きではなく。人として人間的に人間性的に好き。たとえ、この気持ちが、loveへと変わっても私は、先生に対しての接し方や気持ちの伝え方は、変わらない。


「そう。でも良いの?そろそろ時間……」


 そう言われて私は、腕時計を見ると11時半になっていた事に気がついた。11時半。あと30分で、12時になる。急いで、食堂へ向かわないと数量限定の日替わり定食を注文しないと無くなってしまう。


「 今日の日替わりランチのメニューは、何ですか!?」

「お、オムライスよ」

「ありがとうありがとうございます!では!」


 そう言って私は、走って食堂へ向かった。オムライス。オムライス。ふわとろのオムライス。デミグラスソースのオムライスなのかな?トマトソースのオムライスなのかな?それとも、ホワイトソースのオムライスなのかな?想像しただけで、ヨダレが出そうになる。


 そう言えば、食堂で先生と待ち合わせをしたな。確か新種の生物を見に行くと言っていた。私も後で見にいこうかな?


 でも、でもでもでも今は、オムライスが食べたい!そう思いながら食券機へ向かった。


「アミー」


 そう言って振り向く前に誰かが私を後ろから抱きしめた。誰かというのは、既に声で、解っているしこういう行動をする人も解っている。


「先生やめてください」

「嫌だ」


 先生は、私を抱きしめながら頭を撫でながらそう言った。


「今すぐ止めないと私の魔法で、電撃を食らわしますよ」

「それは、もっと嫌!」


 そう言って、私から離れて食券機を眺めていた。


「今日の日替わりランチは、オムライスか……ん~」

「どうしましたか?」

「デザートは、プリンにしようか、ゼリーにしようか……」


 悩むところそっちかよ。ここの食堂は、充実している。日替わりランチのほかにハンバーグ定食に唐揚げ定食、カレーなどなど栄養バランス良く味もしっかりと美味しい。特にスイーツが女性たちに人気があり人気のシュークリームなんか1日10個限定メニューだ。

 私は、迷わずシュークリームを選ぶなのだけど、先生は、今現在プリンかゼリーかで悩んでいる。


 当然良い時間なので、先生の後ろには、大勢の人が並んでいるのだけど、気にしていない。


「先生、もうこうなったら同時押しをして出てきたのにすれば良いじゃあないですか?」

「そうだね!うん!流石アミーだ!」


 そう言って、先生が押したのは、ショートケーキだ。

 なぜ?なぜショートケーキ?どっからショートケーキの話になったのだろうか?


「間違えちゃった」


 キョトンとした顔で先生は、私を見る。確かにプリンの横には、ショートケーキが書いてあるけれど、間違える可能性は、無いとは、言えないけれど、そんな悲しい目で見られると困るし、私よりも後ろに並んでいる人たちがもっと困る。


 先生は、トボトボ歩き日替わりランチとショートケーキを受け取り私の目の前に座った。


「いただきます」

「いただきます」


 そう言って、オムライスを食べ始めた。オムライスを食べ終わったら先生は、ショートケーキを食べ始めた瞬間にまんべんな笑顔で


「うまっ!」


 何度もそう言って、幸せそうな顔で、ショートケーキを食べ終えた。結局のところ先生は、ショートケーキでも良かったのかな?その日の気分なのかな?


「そう言えば先生、新種の件は、どうでしたか?」

「ん?あー……確かにあれは、新種だけど、危険性は、かなり高いと思う」

「どうしてですか?」


 先生は、ケーキを食べ終えコーヒーの飲んでこう言った。


「肉食だからだよ」

「肉食?」

「そう。また小さいと言えあの新種は、肉食竜の血を強く持っている。ヘビトカゲも確かに竜だけど、彼は、肉を食べない草食竜だ。


 草食竜は、肉食竜の卵を産んだりしない。これは、誰かが仕組んだものだ」


 私は、シュークリームを食べ終えコーヒーを一口飲んだ。

 確かにそうだ。肉食動物にとって草食動物は、食べ物しかないし、そもそも此処には、肉食動物と言える幻獣は、いない。誰か仕組んもの。先生の推論は、正しい。


 そして、誰かと言うと私は、もう既に解っている。


「じゃあ、殺するんですね……」

「うん。可哀想だけど、人を襲いかねない幻獣は、小さなうちに…ね」


 そう言って私がコーヒーを飲み終わったのを確認して、立ち上がった。


「あ、先生。ちょっと探し物があるので、すみませんが、手伝ってください」

「良いよ!」


 ニッコリ微笑み食べ終わった食器などが乗っているトレーを私の分まで片付けて、くるりと回った。


「ありがとうございます」


 その言葉を聞いた先生は、嬉しそうな笑顔で私の手を握って歩きだした。私は、そのまま先生に行き先を伝えこそへ行くことにした。


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