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不死の破壊者  作者: 浅瀬
第一章 新しい世界
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第一章 第九話 誕生


 ポケットに突っ込まれたネラはプンスカ怒っている。

 

「コラァッ!レディに対して鷲づかみは無いでしょうが!鷲づかみは!」

 食後の余韻を邪魔されたのが相当頭にきているようだ。


「レディはな、食後にゲップしながら大の字になって寝たりしないんだよ」 

 藍は「早くハンマー出せ」と催促しどうでもいい感じで言う。


「ほ~うほうほうほう、そのような事を言うなら私にも考えがありますなぁ~」

 ヒッヒッヒッと笑うとネラはハンマーを喚び出し入っていく。


「なんだか知らんが、行くぞ」

 周りに次々と人間が現れ始めたのでハンマーを掴んで持ち上げる。が出来ない。


「アイ君どうだい?この重さ、ん~?おやおやぁ?持ち上げらんないんですかぁ~?」

 ネラがハンマーから出てきて持ち上げる事の出来ない藍を煽る。


「ネラッ!お前なんかやりやがったな!」

 

「ヒッヒッヒッ!反省なさーい!」

 口に手をやって笑っているネラに藍がついにキレてネラをガシッと掴むとハンマーに叩きつける。


「ぎゃああああ!なにすんだぁ!バカァー!」

 ネラは悲鳴と暴言を吐きながらハンマーに吸い込まれる。ハンマーが軽くなり、近づいてきていた前よりも素早く動く人間の頭に引っ張っていた力を乗せ、叩きつける。


「なるほどな、出し入れで重さを変えられる訳だ」

 こりゃ使えると思った藍は出てきたネラを再び掴もうとする。


「違うわよ!このバカッ!今のは完全に予想外の事で気が緩んだのよ!」

 藍の手をキックして遠くに離すといつものポケットに入る。


「重さを変えられるのか?」

「重さも変えられるし、長さとかサイズも変えられるわ。やっぱワタシ天才だからさ」

 どうよ?と胸を逸らしてドヤっているが藍は「そうか」と言うと次の人間に向かう。


「ネラのタイミングで良い。重さとか長さを変えながら戦ってみたい、やってくれないか?」

 藍がネラに提案する。イケメンは容赦なく潰してね☆とネラは承諾する。


「それじゃあまずは基本のビッグハンマ~!」

 ハンマーのヘッドの部分がグン!と大きくなる。重さも跳ね上がり一種で4人の人間をプレスする。


「こりゃスゲーぞ……」

 藍はまじまじとデカくなったハンマーを見て呟く。


「天才って認めてもオーケーよ?ってイケメンよ!イケメン!はい潰すゥ!」

 イケメンを見ると破壊欲が抑えられなくなるようだ。もうこの妖精(バカ)は救えないと心で思いイケメンに向かってハンマーを振り下ろした。






 藍とネラが人間を潰している頃、マリーグルの戦場近くの森の中のキャンプで一人の赤ん坊が産声を上げる。だが恐ろしい事にその母親、赤ん坊を取り上げた女、周りの人間達は不自然にも全員首が取れた状態で立っている。やがてバタリバタリと人達が倒れ始める。

 赤ん坊は泣くのを止め口を動かすと体がまるで早送りのように急成長を始める。成長したこの世の者とは思えない一糸まとわぬ美しい娘はバッとある方角を見ると暴言を吐いた。


「チッ!あのバカ親父、私がここに生まれるのに勘づいてもう向かってきてやがる!それにとてつもない強い(スキル)を持った奴と一緒にいるな…フンッ!また男なんて紹介しやがったら容赦なく捻り潰してやる!」


 美しい娘の言葉はあまり美しいとは言えなかった。娘は首の無い人間から服を奪い取るとさっさと着替える。


「しかも人間共が殺し合いをしてやがる!何もかも最悪の時に転生しちまったようだな!くそったれが!」


 巨大な弓と沢山の矢が入った矢筒を空間から取り出し担ぐと、彼女は森の中に消えていった。





「ネラ、戦場では今の感じで頼む」

「へ~い、りょーか~い」

 そんな会話をしながら扉を閉める。人間を皆殺しにした後、ラウルからすまないが部屋に戻ってきてくれと言われたので今はラウルの居る朝のあの部屋にやってきていた。


「ラウル?どうかしたか?」

 藍は心配そうにラウルに聞く。ラウルは白い肌を更に白くさせて言葉を発す。 


「藍、マリーグル上空に今着いた。だがな…マズイ事が起きた……」


「マズイ事?」

 藍もネラもハテナ?という感じだがラウルの鬼気迫った顔みて息を飲む。


「…ディアナが生まれた…」


 それを聞いたネラがヒューヒューと呼吸困難気味に息をするとシュバッと叫びながら藍のポケットから飛び出す。


「ぎゃあああああああ!終わりだぁあああ!誰か助けてぇぇぇ!」


 この世が終わるのを知ったかのように叫び続けているネラを見て藍は不思議そうに聞く。


「ディアナとは誰だ?」


 ラウルは静かにコーヒーを持ちちょびっと飲むと言った。コーヒーを持つ手は微かに震えていた。


「ディアナ・アーテル、私の娘であり人間を、いや世界を終わらせる者だ」


 本当に世界の終わりが近づいていたようだ。







 


 










やっとこさヒロインです。

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