1フレンドリーすぎる魔王
よし、私のステータスは…
竹下 奈々
剣 Lv7869
魔法 Lv9999999
Lv7118698
能力 コピー
職業 勇者
うわ…。
私、魔法を使ってないのに魔力だけでカンストだ…。
まぁいいや。そろそろ魔王城に着くかな。
にしても妖怪とかいない。おかしいなぁ。
あ、これを使うのはあまり気が進まないけどいいか。
【clone召喚】
そこに出てきたのは透明な少女だった。
【我は問う。我の質問に答えよ。cloneよ。】
『ハイ。マスター。』
「どうしてここら辺には妖怪とかがいないの?」
その問いに少女は答えた。
『それはマスターの魔力が膨大すぎるため、妖怪達が避けているのです。』
「アハハ…」
そう言うと少女は消えていった。
なるほど。うーん、これって妖怪達を傷つけなくていいけど魔王討伐としてどうなんだろ…う。
そして奈々の前には大きな扉があった。
ギィィィ。その扉の中には金と赤色の椅子に座っている奈々と同い年くらいの男の子がいた。
うわぁ、かっこいい…。
「誰?」
そう少年は問いかけた。
「え、っと…」
奈々はまよった。本当は奈々は人や者を傷つけるのが嫌いだったからだ。
それになぜかこの少年は傷つけたくない。
今、奈々が「自分は勇者だ。」と言ったら必ず戦闘になる。
「その膨大な魔力は一体?」
奈々がまよっているのを知らずに少年は問いかける。
「私は…」
奈々はあせっていた。
「はは、冗談だよ。どうも、勇者さん。僕は酒田 海賀。知っての通り魔王だよ。よろしくね。ま、あんま戦いたくはないんだけどね。」
この時、奈々は海賀は自分と同じだと思った。(しかもフレンドリーだな、と)
「私は勇者の竹下 奈々だよ。」
「奈々の魔力すごいね。」
「う、うん。」
魔王にしてはフレンドリーすぎると思う奈々だった。