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おおきなケーキ

おおきなケーキ

作者: くーくま

童話なのでなるべく簡潔明瞭に。わかりやすく錯覚ないように書いたら字数が足りていませんw。

水増しが嫌なのでこのまま童話祭に提出しますw

後でなおすかもしれませんが、童話ならわかりやすく字数が少ないほうが子供向けになるのでなるべくはこのままです。


ある王国に4人のお姫様がいました。

4人のお姫様はそれぞれある力を持っていました。

王国の中央にある塔で、4人の内の誰かが過ごすと国に変化があるのです。

暑くなったり、寒くなったり、実が実ったり、花が咲いたり。

そう、季節を操る力です。

お姫様達が順番に塔で過ごす事で王国は平和な日常を送っていました。

そんな王国には王子様が1人いて、お姫様達と仲良く暮らしていました。


そんなある日のことです。

王子様がお姫様達にケーキを買ってきました。

いつも塔で王国のためにがんばっているお姫様達に何か御褒美をあげたかったからです。


今は冬のお姫様、ローレンシアが塔で過ごす時期。

でもほんの少しの間なら塔から出ても大丈夫なので、塔の前の広場で皆でお茶会することになりました。

夏のお姫様、マーガレット、秋のお姫様、ララ、冬のお姫様、ローレンシア、春のお姫様、フェミナが嬉しそうに広場で待つマーク王子の元へとやってきました。

お姫様達が揃うのを見て、マーク王子がお姫様達をテーブルへと誘い、今日のために用意したケーキを取り出しました。


真っ白な綺麗さがありながらも、ホイップでデコレートされたショートケーキ。

美味しそうな苺がその赤色で、より白さを際立たせています。


でも少し問題がありました。

4つあるケーキの中で、1つだけ、1つだけ、ほんの少し苺が大きかったのです。


マーガレット、ララ、フェミナの3人はどうしようかと悩みました。

でもローレンシアだけは違いました。


その一番大きなケーキを選んで取り、食べ始めたのです。

マーガレットとララはびっくりしながらも、ローレンシアらしいと思って自分達もケーキを取って食べ始めました。

ですが、フェミナだけはそうしませんでした。


「ローレンシア・・・、ひどい」


フェミナはそう言って、走って帰ってしまいました。


「フェミナ!?どうしたの?」


それを見たマーク王子は慌ててそう言いましたが、何が起きたかわからないために追いかけませんでした。

ローレンシアは黙々とケーキを食べ、マーガレットとララも溜息をつきながらもケーキを食べています。


マーガレットとララはフェミナの機嫌もすぐに治ると思っていたのですが、今回は違いました。

フェミナが塔で過ごす時期になってもフェミナは塔へとやってきませんでした。

困ったマーク王子はマーガレット達に相談します。


「ララ、どうしてフェミナは来ないか知らない?」


「そんなの決まってます。王子が迎えにいかないからです」


ララの一言にマーク王子は困った顔をします。なぜそうなるかよくわからないからです。

そんなマーク王子にマーガレットは言いました。


「本当はローレンシアに行ってもらった方が良いと思うんだけどローレンシアは今は塔から離れられないから。私達も行くから。ね、王子、お願い」


マーク王子はよくわからないながらもフェミナを迎えに行く事にしました。



マーク王子、マーガレットとララの3人はフェミナを迎えに行き、ローレンシアは塔でお留守番になりました。



そんなマーク王子率いる一行がフェミナの居る城へと向かう途中、王子一行の前にフェミナの領地の兵隊が立ち塞がりました。

兵隊達は言います。


「王子さま。この先へは行かせません。どうしても行くというならこのパイを受けてもらいます」


そうなのです。兵隊達はホイップクリームがたくさん塗られたパイを持っていたのです。

そして兵隊達は王子の顔めがけてたくさんのパイを投げてきました。


「あぶない!」


夏のお姫様、マーガレットはマーク王子を庇い、前へ出ます。彼女は大の運動好き。

飛んで来るパイを避けながら、兵隊達にパイを投げ返して遊んでいます。


「ここはわたしにまかせて王子は行って」


マーガレットの言葉に聞いて、マーク王子とララはその間に兵隊達から離れてフェミナの元へと急ぐ事にしました。


マーク王子とララはフェミナのお城に辿り着きました。

そして、マーク王子とララの前にフェミナがいます。

フェミナはすこし遠い所でマーク王子を待っています。

マーク王子が歩きだそうとすると、ララが王子を止めてこう言いました。


「ララが先に歩きます。何かあっても王子は気にせず行ってください」


マーク王子はよくわからないながらも頷いてララの後に付いていきます。

すると突然ララの足元が開き、ララが落ちてしまいました。落し穴です。

ララはその穴一杯に入った苺ジャムで胸から下を濡らしてしまいました。

でもララは気にしないでこう言います。


「王子は行って」


ですがフェミナとマーク王子の間にはジャムの池があり、ジャム塗れにならないとフェミナの元に行けそうもありません。

するとララがあるものを指さします。

そこにはスポンジで出来たクッションがありました。


「多分あのふわふわで飛び越えられる」


ララの一言を信じてマーク王子はスポンジクッションの上で跳ねてみると、ばねのように大きくジャンプしてジャムの池を飛び越える事が出来ました。


マーク王子は心配しながらもフェミナの元へと急ぎます。

マーク王子が来た事でフェミナはうれしそうにしています。


「フェミナ。迎えに来たよ。一緒に行こう」


フェミナはそれに答えません。

すると追い付いたマーガレットとララがこう言いました。


「ローレンシアはああいった事にはあまり気付かないの。悪気はなかったの。許してあげて」


「そうよ。それに一番王子に心配してもらったのはフェミナよ。もういいでしょう?」


ようやくフェミナは答えました。


「マーク王子。皆一緒にしてくれる?」


マーク王子はフェミナに答えます。


「もちろん。皆大事な僕のお姫様だよ」


フェミナは花が咲いたような満面の笑顔でマーク王子にこう言います。


「じゃあ、もう一度、皆でケーキを食べましょう。ローレンシアも一緒に」



そうして同じ大きさの苺のケーキを皆で食べて仲良く過ごしました。


皆満足した後にフェミナは塔に入り、王国に春が訪れました。


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