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ひさしぶりだね
「ひさしぶり」
宮本さんがはにかむ
当時みたいに、控えめに
服の色と同じように
粉も
ふわふわと優しい色が多い
ほっとした
ああ、穏やかな時間を過ごしてきたのだと
わかる色合いを纏っている
いや。昔よりも
薄い桃色が増えた気がする
粉、以前は黄緑色が多かった
「久しぶりだね」
小学校、中学校の思い出が
ぱっと蘇る
卒業して初めて会う
もう、15年が経っていた
世田谷公園に、風がそよそよと吹き渡る
噴水。鳩。芝生。
小さなこどもたちの歓声
のんびり散歩する大人たち
犬。
落ち着く
やっぱり猫は歩いてないな
何故だ?
「飲み物、何かいる?」
「ううん。水筒持ってきた」
「じゃ、少し待ってて」
売店に寄って
三ツ矢サイダーを買う
サイダーなんて久しぶりだ
なんとなく、今の浮き浮きした気持ちには
炭酸が良かった
「じゃ」
二人で空いているベンチに座る
なんとなく、照れくさい
聞きたいことは山ほどあるし
聞いて欲しいこともある
でも、ただ単に
会いたかった
こうして隣にいられるのが
嬉しい