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終わりに
チナミはその日も時の概念の無い天の川学園で受付へと向かい合いしばらく髪の毛を揺らして様々に輝くグラデーションを輝かせていたのだが、やがて、定められた終焉のときを迎えたことに気がつかされた。受付の机越しに座り続け空中をタッチすることを辞め、伸びやかに立ち上がる。その区分された時の終わりとともに静かに立ち上がると、御前崎瑠奈から預かっていた小さなディスクのことを手の中で転がしてみる。
何かを呟いた後のことだ。チナミはのれんを入り口に立てかけ天の川学園の受付を後にする。それが合図でもあるかのようだった。天の川学園の活動は、今日という概念があればだが、今日の活動を区切ってしまおうと響き渡る巨大な鐘の音とともに一個の区切りを迎えることになる。これで全部。功永ヤナタが天の川学園に到着したときに区分される一日のこと。
こういった経緯の後のことだ。功永ヤナタは天の川学園初等部創造課Z―404の中に溶け込んでいくことになるだろう。