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今でも生きてる





冷たくなった安田が入った箱の前に行く



体が小刻みに震える…



あたしは神を恨んだ


『なんで安田なの?』


『なんでこんなことするの?』


まだ17のあたしにはあまりにも大きすぎた安田の死







同窓会とか成人式とか…


いつか大人になったら笑って昔の話できると思ってた…


言えなかったあの想い


もどかしかったあの時


笑いながら


『好きだったんだよ』






って…




でも…


もう…






その瞬間




『伝えなきゃ』



あたしはそう思った


今が彼に会える最後…



今伝えなきゃ絶対に後悔する…!



彼を前にしてあたしは心の中で何度も叫んだ







『大好きだよ』







『大好きだったよ』






彼に届くかはわからない



それでも一生懸命心を込めた










あれから2年半の月日が過ぎた


あたしは今年二十歳になる


彼は…


安田は…


本来なら来月二十歳の誕生日を迎える…



けど



彼は17歳のまま…




来年の成人式。



きっと彼はいない



もう会えることはない




それでも彼は生きている


姿や形はないけれど…




あたしの心の中に…


みんなの心の中に…



安田はいつまでもいつまでも生き続ける




彼に出会えたことに後悔した日もあった


神様を恨んだこともあった



でも今は…




あたしは想ってるよ




『今でも生きてる』

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