其の活動、遊びとは違うものなり 3ページ
公園での遊びをした後の月曜日。文芸部室に集まった俺達に、灯は原稿用紙を手にしながら言った。
「皆。この前行ったレクリエーション。公園の事をこの原稿用紙に書いて欲しい」
「は?」
俺は素っ頓狂な声をあげた。香織と紗良は灯の方を向いている。
「だから、運動会の感想と同じ様な物だ。文芸部部長としては、部員がどのような文章を書くか見てみたいのでな」
あの文を書くお前が言うか。…でもまぁ、あれがただの遊びじゃ無くて、文を書かせる目的があったのか。
感心していると、目の前に原稿用紙。灯を見ると、シャーペンを持って書き始めている。
俺も筆箱を取り出して、書き始めた。
えっと、まずは昨日した事だ。確か集合して、公園の散歩をして、お昼を食べて、運動をして、クローバー探しをしたんだ。
うん。結構書く事があるな。
香織と紗良も書き始めている。その光景をみて、文芸部らしいなぁと俺は思った。その後、再び俺は書く事に専念する。適当に感想を入れながらやった事を書くだけだ。
数十分して、皆書き終えた様だ。俺は一息ついて、発案者である灯を見た。灯はとうに書き終えていたのかだれていて、机に顎を乗せている。紗良は鉛筆を転がして、香織は灯を見ている。俺はこのままでいる訳にも行かないので、声をかけた。
「おい灯。書けたぞ」
声をかけると灯は跳び起き立ち上がった。
「そうか!書き終えたか。では我が預かるから、皆、持って来てくれ」
俺は微笑んでいる灯に原案用紙を渡す。と、香織も横から灯に用紙を渡した。
香織は俺を見て、微笑んだ。そのとても柔らかな笑みに、俺は一瞬、固まってしまう。
そのあと紗良も無事提出して、本日は解散となった。