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滅びゆく世界の片隅で  作者: カイト
シンジケート編
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第9話 再会

「リュエルちゃん、少しいいか」


そう声をかけられる。声がした方を向くとリュートがいた。


「リュートさん。どうしました?」


「いや、昨日の話を聞きたいんだ。時間とかは大丈夫かい?」


「はい、大丈夫です」


今日はこのまま帰る予定だったし問題はない、それにリュートさんには昨日のことも話しておきたいしな。


「そうか、ならよかった着いてきてくれ」


そう言われついて行くと酒場のような場所に着いた。リュートは「少し待っててくれ」ろ言うと酒場のマスターのような人に何か話をしにいった。しばらくすると戻ってきた。


「一応あまり他の人に聞かれたくないだろ?」


そう言い、個室に案内される。


「すみません、ありがとうございます」


どうやら気を遣ってくれたようだ。中に入るとリュートが口を開く。


「さて、なんで昨日あんなところに………いや、単刀直入に聞こう、あのVGはどうしたんだ?」


そう聞かれ話し始める。墜落した輸送機に行ったこと、その中にエリスがあったこと。そして周囲をZOIDに囲まれ、エリスに乗ったことなどだ。

正直自分で言ってても空物語のようだが、リュートさんは真剣に聞いてくれた。


「なるほど……状況は分かった。それは災難だったな。」


「信じてくれるんですか?」


あのダスカーとかいうやつとは大違いだ。


「ああ、だって俺に嘘をつく理由がない。ただ初戦で中型を3体も撃破か……」


「それがどうしたんですか?」


「いや、普通は初戦で中型を3体もなんて倒せない………リュエルちゃん、君のそれは間違いなく才能だ」


「才能……」


「ああ、才能だ。実際戦っていたところを見たわけではないから具体的には言えないが……少なくともCランクくらいの実力はあってもおかしくない」


才能………。そんなものが自分にあるとはあまり考えていなかった。



「ま、あって困るもんじゃない。深く考えなくてもいい」


「わかりました」


リュートの言う通り深く考えても変わらないので一度この件については話すのをやめる。


「そうそう、もう最初の依頼は確認したか?」


「いや、まだです」


「そうか、ただな、一応最初の依頼は必ず他の傭兵もいる。注意した方がいいぞ」


「なるほど……ありがとうございます。でも大丈夫です」


「気をつけてくれ……っとすまん、もう時間だ。一応依頼が完了したら教えてくれ」


そう言うとリュートは部屋を出て行こうとしてところで立ち止まる。


「おっと、そういえば聞き忘れてた。夢は見つけたか?」


「…………!はい!」


「そうか、なら大丈夫だな」


そう言うと今度こそ出ていく。残されたリュエルも特にここですることはないのでエリスに向かい、隠れ家に帰ることにする。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


隠れ家帰ったリュエルはまず、依頼の内容を確認した。

まずもちろんながら依頼元は『明け色の陽射し』、内容は麻薬に輸送ルートにいる小型ZOIDの駆逐、また中型が2体ほど羽織る可能性があると言うものだ。あと同行者としてDランクの傭兵が2人来るらしい。


「最初の依頼だね、リュエル。もちろんだけどランクは『E』、報酬は………まあ、雀の涙だね。まあ、シンジケートでの第一歩にはなるんじゃない?」


「雀の涙どころか、砂粒以下だろ……」


リュエルは毒づいた。提示された報酬は、装備を買うどころか整備代だけでほぼ全部なくなってしまうような額だ。また、任務内容もめんどくさい。


「ZOIDの駆逐というところまではいいけど、同行者か……。まあ,リュートさんも言ってたし分かっていたことだけど。………めんどくさい」


「まあ、対象は小型ZOLDが主で、中型ZOLDも最大2体だもんね。ちなみに同行する傭兵は、Dランクの『明け色の陽射し』所属のパイロット2名VA-13スピアを使用しているって」


リュエル自身は自分の実力をまだ正しく認識していないものの、すでにCランクの下の方くらいの実力はある。Dランクでしかも旧式であるスピアを使っている彼らでは完全にリュエルの足手纏いとなる。


「集合場所は?」


「旧市街第7ブロック。遠くはないし出発は明日でいいんじゃない?今日はエリスの整備をしておいた方がいいかも」


リンにそう言われ、リュエルはエリスの整備を行うため格納庫に戻る。そして手早く機体の点検を行った。ZOLDとの初戦で受けた軽微な損傷も、最低限の応急処置しかできていない。シンジケートの提供する整備は、最低ランクの傭兵には期待できないだろう。


「まったく、やってらんねぇな…」


リュエルは関節系に潤滑油を差しながらつぶやいた。こうした整備代に加え修理も必要となったらも含めたら尚更報酬は足りない。


「文句を言っても、報酬は増えないよリュエル。それに、これは良い機会だよ。君の実力をしっかり見せれれば待遇も改善されるかもしれないし」


リンの言葉に、リュエルは少しだけ顔を上げた。確かに、そうだ。ここで実績を上げれば、この最底辺の状況から抜け出せるかもしれない。



整備が終わり、明日の用意も終わった頃にはすでに夜になっていた。


「さて、明日もあるしもう寝るか」


そう言い、ベットに入る。気乗りはしないがやらなければ先に進まないと思いつつ、目を閉じた。

〜こぼれ話:シンジケートについて〜

リュエルが住んでいる地域は無法地帯でマフィアやシンジケートが実効支配している地域です。そのうち今リュエルがいる地域をを支配しているシンジケートの名が『明け色の陽射し』、ここら一帯では大きい方のシンジケートです。多数に傭兵を抱えている他、傭兵ギルドとのパイプもあるため戦力的にも上位にあります。ただその分敵も多いです

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