第13話 助け舟
「…………リュート………さん?」
リュエルの目の前にはリュートがいた。
「おい、部外者が割り込んでくんじゃねぇ!」
リュートに対しウィルは言う。まあ、言っていること自体は正しい。しかしリュートは
「リュエルちゃんは俺の紹介だ、部外者じゃあない。…………それにDランク如きがあまり威張るなよ?」
と切り捨てる。威圧を含んだリュートの言葉にウィルは一瞬たじろぎする、
「で、ダスカー。一体どう言った状況だ」
そうダスカーに尋ねると、ダスカーは今までの経緯を説明し出した。
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「と、言うわけだ。リュート、でお前がわざわざ出張ってくるほどにこのリュエルとか言う奴は大切なのか?」
説明が終わり、ダスカーは尋ねる。ダスカーの質問は最もだ。実際、このシンジケートの幹部であるリュートがただが新入りの傭兵1人のために動くことはありえないからだ。
「いや、そういうんじゃねぇ…………。それより状況はわかった。確かにお前の言っていることもわかる。まあ、お前からしてみればDランクとEランクではDランクのやつが入っていることを信じるわな………」
「わかっているのなら」
「いや、俺にいい考えがあるんだ。ちょっと待っててくれ」
「………?」
そうリュートは言うと、リュエルに話しかける。
「もう、落ち着いたかい。リュエルちゃん」
「はい。でも…………私は………また」
そうリュエルはこぼす。リュエルは自らの不甲斐なさで心がいっぱいだった。しかしリュートは言う。
「いや、リュエルちゃんはもう強くなっているよ」
「でも、今回だって前と同じように…………!」
「前とは違うよ、だからあとはリュエルちゃん自身がそれを理解すればいい」
「でも、どうすれば………」
「簡単だ、彼らと決闘をすればいい」
「決闘…………?」
「そう、決闘だ」
決闘、それは傭兵同士などで行われるVGでの試合のことだ。
リュートはウィルたちの方をを向く。
「お前らウィルとゼクトとか言ったな。彼女と決闘をしてその結果で白黒つけないか?」
「んでそんなことを俺らが………」
「傭兵は力が全てなんだろう?じゃあ、いいじゃないか。お前らが勝てばリュエルちゃんはお前らの要求を全部飲む、逆にリュエルちゃんが勝てば…………まあ、わかるだろ?」
そうい言ったリュートには有無を言わさない迫力があった。
「ちっ!勝手にしろ!」
リュートにビビったのかウィルはそう言う。
「わかった。ダスカーもそれでいいか?」
言質をとったリュートはダスカーに言う。
「俺はいいが………こいつがいいのか?」
ダスカーが指を先には戸惑っているリュエルが。
「リュエルちゃん、どうかな。それにリュエルちゃんは傭兵だ、傭兵はほとんど力が全てだ。今の君は強いよ、少なくても傭兵としては」
リュエルに向けて彼は言う。
「夢を見つけたんだろう?ならきっと理不尽すらも跳ね除けられる」
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リュエルはリュートが言っていることが一瞬信じれなかった。だって実際彼がきてくれるまでは何も出来なかったのだから。
強くなっていると言われてもそんな実感はない、それどころか何も変わっていないと思った。
でもリュートは言った。「リュエルちゃんは確かに強くなっている」と、あとは
「リュエルちゃん自身がそれを理解すればいい」のだと。
決闘、それができるのなら。自分に本当に力があるのかわかるかもしれない、理不尽を跳ね除けられるのかもしれないと思った。
「リュエルちゃん、傭兵をやっているからにはトラブルなど日常茶飯事だ。リュエルちゃんは知らないかもだがその場合、多くは決闘という手段で白黒つける。たとえ、相手が自分よりも立場が上でも証拠さえ出ていなければ決闘で決められる。ランクも関係ない」
それなら。自分の実力が本当にあるのかはわからないが、少なくともあの2人よりは強いとは思う。だから………。
「わかりました。…………決闘する」
そう宣言する。
「そうか、なら今回の件は決闘にて決めることとしよう。一応、俺がその決闘は見届けよう。一応決闘のルールは1対1のノーマルだが、双方意見は?」
そう、ダスカーが言う。それならと1つ追加したいものがある。
「なら1対2でお願いします」
1対2、私が1人で、向こうは2人ということだ。明らかに私が不利なルールだがこれを入れたい。
「おいおい、今更怖気付いたか?」
そうウィルが茶化してくるが無視し、続ける。
「いや、そっちが2人だ。『レッドバレット』の2人対私だ」
「ほう………?」
「ふむ、別に問題はないが………不利になるだけだぞ」
「いや、大丈夫だ」
ようは、これはお前らなど1対2でも倒せるという意思表示。『レッドバレット』の2人…………特にウィルにとっては屈辱だろう。
「舐めやがって…………!まあいい、後悔するなよ。決闘は明日の昼だ。せいぜい最後の晩餐でも楽しんでいろ。いくぞゼクト」
「はいはい……」
そう、言い残し彼らは部屋を去る。
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彼らが去った後、リュートさんが声をかけてくる。
「リュエルちゃん、結構思い切ったな」
「まあ」
我ながら思い切ったことをしたとも思っているが不思議と彼らが2人がかりでも負ける気はしなかった。
「リュートさん」
「なんだ?」
「ありがとうございます。………戦う勇気を与えてくれて」
そう言い、私は部屋を去った。
ます。
〜あとがき〜
ということで次回は決闘!ちなみに決闘の正式名称はデュエルバトル。
決闘の詳しいルールは次回説明します。いや別にルールで尺稼ごうとかそんな意図があるわけがないじゃないですか、HANAHA…………
さてすこし話は逸れますがここまで読んでくれた皆さんならわかるかもですがリュエルは自己肯定感が低いです。まあ理由はいろいろあるのですが。
このシンジケート編のコンセプトはリュエルの精神的成長が主な部分です。一歩を踏み出す勇気、理不尽を跳ね除ける力を得るなどなど。
あ、こんな話をしていますがシンジケート編はまだまだ続くのでリュエルの成長を見守ってください。応援コメントも待って




