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滅びゆく世界の片隅で  作者: カイト
シンジケート編
12/23

第12話 トラウマ

5年前…………私が11歳だった頃、私はこの無法地帯に放り出された。それ以前のことはあまり覚えていない、朧げながらじ父と思わしき人物が自分に向けて何かを言いながら泣いていたとこぐらいだ。


私は1人だった、何をすればいいかも分からなかった。ひたすら歩き日も暮れ泣いていた時リンと出会った………いや出会ったというのは正確ではないのだろう。私のポケットに入っていたそのデバイスはおそらくここに放り出される前に持たされたものだっただろうから。


そして私はガラクタ漁りを始めた。集めたガラクタは全部シンジケートに売った。当時の私は生きるのに必死だった。毎日ガラクタを集めそれを売るだけの毎日。買い叩かれてはいただろう、当時の私には知る由もなかっただけで。


そして3年前のそある日いつものようにシブラックマーケットにガラクタを売りに行き、溜まった金でMTを買った。MTがあれば少しは楽になると思っていた。ただその後男たちに絡まれた。シンジケートにろくな連中がいないことはリンの言われて理解していたしなるべく関わらないようにもしていた。


でもMTが買えて有頂天になっていた私は男の肩に当たってしまった。男は怒り「こんなガキが来ていい場所じゃねぇんだ」とか「有り金を全部よこせだとか」そんなことを言われた気がする。もちろん私は抵抗した、でも勝てるはずもなかった…………。


子供と大人の差、人数の差、そんな所だ。殴り倒され目の前でリンも壊されそうになった。ただ怖かった、どうしようもない理不尽に抗えなくて、絶望して。私が全てを失いそうになった時、あの人が、リュートさんが助けてくれた。


間に入ったリュートさんを見ると、男たちは逃げていった。


「大丈夫か、嬢ちゃん」


と優しく声をかけてくれた。私は助けてくれたことに安堵して、嬉しくて、そして自分が情けなくて………泣いた。


泣いている私をリュートさんは慰めてくれた。


そして、私にこう言った。


「強くなるんだ」


と、単純な力だけではない、相手を跳ね除ける強さを。

「どうしたら強くなれるんですか?」と聞いた私に対して彼は言った。


「夢を持つんだ、自分の全てを賭けてもいいと思えるような夢を」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私は夢を失うのだろうか、3年かけて見つけた夢を、自分の弱さゆえに。

そう思った時だった。蹲っている私に向かってウィルが近づいてきた。本能で蹴られると覚悟した時だった。


「待て」


どこか懐かしい声が聞こえたのは。最近聞いたような声がしたのは。

誰かが私の肩を叩いた。そしてこう言った。優しい声だった。


「大丈夫かい、リュエルちゃん」


恐る恐ると目を開けるとそこにはあの時と同じようにリュートさんがいた。


「…………リュート……………さん?」


〜あとがき〜

すこし短いですが、今回はここまで。3年前のリュエルのトラウマがわかったでしょうか。当時のリュエルは13歳、中学一年生です、いくら無法地帯で生活しているとはいえ複数の大人の男に囲まれたら抵抗する術はありません。彼女はこの時からシンジケートには全体的に苦手意識を持っています。


これは余談なのですがこの時彼女に絡んだ男たちは『スネイク・ホープ』というシンジケートの一員。そもそもシンジケート自体が違法組織ですが、『スネイク・ホープ』はかなりひどいシンジケートで傭兵ギルドも依頼人として容認はしているものの『明け色の陽射し』のように担当は置いていません(逆に傭兵ギルドが容認しているシンジケートは意外と治安とかもいいです)『明け色の陽射し』とは実は仲があまり良くはないです。そして勢力などは『明け色の陽射し』の方が圧倒的に上、だからこそ男たちは『明け色の陽射し』の幹部であるリュートを前に逃げ出したわけです(まあ他にも理由があったりなかったり…………)。

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