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滅びゆく世界の片隅で  作者: カイト
シンジケート編
11/23

第11話 言い争い

翌日、リュエルは再びシンジケートに来ていた。向かう先はギルドの部屋、ダスカーのところだ。わかっていたことではあるが呼び出しを受けた。


部屋に入るとが2人に男がすでにいた、おそらく『レットバレット』の2人だろう。するとダスカーが口を開く。


「さてリュエル、お前は依頼を達成したから晴れてDランク………となるはずだったんだが。こいつら………昨日、お前に同行したウィルとゼクトが異論があるらしい」


そういうと彼はウィルとゼクトの方を向き


「で、異論とは何だお前ら」


と問いかけた。


すると大きい方の男ーーウィルが口を開く、


「ああ、こいつはな。勝手にZOIDの群れに突っ込んだ挙句全然戦えず、俺らがカバーしてやらなければやられてた。それに俺らが何度行っても下がろうとしなくて仕方なくおまもりをしなから戦ったんだよ。」


「は!?お前何を言って!!」


出鱈目なことをいうウィルに足して思わず反論する。


「貴様には聞いていない」


思わず殴りかかりそうになるが何とか抑える。


「双方落ち着け………ウィル、それでお前は何が言いたいランクアップの取り消しか?」


「いや、こいつは協調性もない上に腕もない。傭兵の資格を剥奪しろ」


「まあ、俺はランクアップの取り消しくらいでいいと思うけどね」


「ゼクト、余計なことを言うな」


「はいはい………」


「まあ、お前らの要求はわかった。リュエル、お前の言い分を聞こうか」


そうダスカーに問いかけられる。


「こいつらが言っていることは全部出鱈目だ!!そもそも私はこいつらに助けてもらってないし半分以上は私が倒した!どうせ獲物を私に取られたからその腹いせとかだろ!?」


「ふん、所詮は負け犬の遠吠えだな」


そう、ウィルが言う。


「口を挟むなウィル………だがなるほどどちらも相反することを言っているな」


「おいダスカーさんよぉ、こんな小娘の言うことを信じるのか?」


「誰が小娘だ!!」


「お前が言っていることが事実だとして、傭兵資格剥奪は流石に無理だぞウィル………」


「なら、賠償請求をさせてもらう」


「は?賠償請求?」


何の心当たりもない。………いやまさか?


「貴様を庇った時についた傷だ、俺のVGにな」


「それは、勝手にテメェが負った傷だろ!!」


「おい、お前ら落ち着け………すまないがリュエル、お前とウィルだとウィルが言っている方が信じれる。このまま続けるのなら傭兵資格剥奪はともかく、ランクアップは取り消しとなるだろう」


昨日、依頼の後でウィルが言っていたことをリュエルは理解した。事実入ったばかりのリュエルにはこの場での発言権………いやジンゲート内での立場はないにも等しい。


あれ、そう言えば………とリュエルはリンに「依頼の最中で負った傷などは全部自己責任」と言うことを聞いていたことを思い出した………。


「いや、でも依頼の最中で負った傷とかは全部自己責任じゃあないのか!?」


「ふん、新入りの小娘に何がわかる?……まあ、それは事実だ………そうだな、だから賠償請求を受け入れれば今回の件は不問にしてやる。でも、お前に賠償金を払えるほどの金はないだろう?」


ウィルが言っていることは事実だ、仮に賠償請求をされたら払うほどの金はない。そして借金を抱えている傭兵は資格を剥奪されてしまう。


「だが、俺は優しいからな。貴様の持っているVGをくれたら賠償請求もしないでおいてやる。」


「な!?エリスを………!!」


「さあ、貴様はどうする………?」


リュエルは歯噛みしていた。反論はしたい、でも立場的な問題からおそらくリュエルのいうことは誰も聞いてくれないだろう。そして下手に反論してすれば条件は悪くなってしまうかもしれない。傭兵資格も取り消されてしまうかもしれない。そうしたら何かを成すと言う夢も果たせなくなってしまう。かと言って奴らの要求を飲んでもそれは同じ、前を向けばウィルがニヤニヤ笑っている。その目はまるでリュエルに対してやり返してやったと語っているようだった。自分が上でお前は下だと、そう言っているような感覚さえ覚えた。


そう思った時リュエルの思考が止まった、前にもこんなことがあった気がする。

…………そうだこれは3年前と同じ状況だ。そしてリュエルは膝から崩れ落ちた。トラウマが蘇る、胸が苦しくなる。どうしようもない状況で、あの時と同じように………………また自分は失ってしまうのかと…………。自分は結局強くはなれなかったのかと。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



それを見ていたウィルは少しだけ驚いたものの、すぐさま大笑いしそうになった。あんなに威張っていた小娘が唐突に膝から崩れたのだ。無論ダスカーにバレたら困るので堪えたが。


「おい、ウィル。何かしたのか?」


そうダスカーから言われる。何がきっかけになったのかは知らないがこの状況は好都合、格の違いを刷り込むのならちょうどいい。


「いや、どうせ今更自分がやったことの重大さに気づいたんだろ」


そう言うと蹲っているリュエルに近づき、


「早く決めろ。小娘」


と言い、リュエルに向かって足を……………


「待て」


そう言う声が聞こえ後ろから肩を掴まれる。後ろを振り向くとそこには

……………………………リュートがいた。


彼はウィルの横を通り過ぎリュエルのそばでしゃがみ声をかける


「大丈夫かい、リュエルちゃん」




「………リュート……………さん?」


〜あとがき〜

序章の頃から少し仄めかしていた、3年前のリュエルのトラウマ、次回はそれについて少し掘り下げます(ただ過去編………とまで言えるほど長くはないです)。

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