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アトガキ

本書を読み終えてみて、いかがだったでしょうか。

……え? まだ全部は読んでいない?

それはおかしいですね。

読み終えた人間しか、このページには辿り着けないはずなのに。


まさかと思いますが、順番を無視してこのページを読んでしまった?

ふふ、それなら仕方ありません。

すでに、遅いのですから。


これ以上語る内容はありません。

語るべきことは、すべてあの断片の中に埋めてきました。

どこで埋めたかは、わかりません。私も読んでいないので。


けれど、それなのに――

ここにとどまっているあなたはきっと、現実と虚構の境目がわからなくなってしまったのでしょう。


かわいそうに。

その状態では、もはや“この物語を読み終えた”とは言えません。


いえ、それどころか、

あなたは本当に“読み終える側”だったんでしょうか?

もしかして――

読まれていた側では?


あなたが読んだと思っていた記憶は、

ほんとうは誰かに書き換えられたものかもしれません。

あるいは、あなたという“読者”そのものが、最初から登場人物だったのかもしれない。


せめて、あなたのために。


この本を「狂っている」と思ったあなたは、

きっと、もう狂っているのでしょう。


あなたが“常識”だと思い込んでいたものは、

きっと誰かが書いた常識で、

それがいつ、どこで書き換えられたか――

あなた自身は、きっともう知る術を持っていない。


それでも、どうか願わくば。


この物語が終わる前に、

あなたの読書が終わってくれることを。


ようこそ。

そして、さようなら



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