3話 合流、互いのスキル
ミカエルさんに案内され、着いて行くと大きな魔法陣があった。
「じゃあ、今から魔界に飛ぶね」
「はい」
俺が返事をした瞬間に地面の魔法陣が強い光を放ち、目を開けるとさっきまでいた白い景色はなく、最初に見た夜景がそこにあった。
「おーい!こっちだ!」
恐らく、あの手を振っている濃い紫の髪の人がサタンさんだろう。流石本物の悪魔という感じで、額には一対の黒い角が生えており、背中には真っ黒な翼がある。その横に居るのが…蓮!?前世(?)でもまあまあイケメンだった蓮がさらに顔が良くなっている!
サタンさんと同じく、額には角が生えており、少し小さいが翼もある。髪は若干紫っぽくなった黒で対して違和感は無いのだが、目がきれいな紫になっている。
「遅かったじゃんかぁ」
「お前がな」
「なんでよ!今からここでストリートファイティングしてもいいんだからね!?」
「はいはいすいませんでした」
「んで、この子らどする?」
「逆になんかいいとこあるか?」
「知ってると思う?」
「思わん」
「じゃ聞かないの」
「あ、待って?思い出したんだけどさ、なんか零さんの知り合いがこんぐらいの年のやつが結構住んでるシェアハウスに住んでるらしいで?」
「どんなとこ?」
「えーっと、修行に行かされてるのとか、親とはぐれたガキや自然発生したやつらが住んでるってよ。金は自分たちで魔物を狩って稼ぐ。世間で言うゴーストハンターだな。今は…12人居るらしい。」
「おお!良いじゃん!そこにしよ!」
と言うと、ミカエルさんはポケットサイズの水晶を取り出して誰かとまた連絡を取りに行った。
とりあえず空気を読み、静かにたたいてかぶってジャンケンポンをして遊んでいた俺らは、とんでもない速度で進んでいった話に顔を見合わせた。
「なあ蓮、これでいいのか?」
「俺はいいけど伊織はどうだ?今はライトって名前になったんだ」
「俺も良いな。ちなみにあっちでメアって名付けられたぜ。違和感あるから蓮って呼びたいんだけど良い?」
「全然俺は良いよ。あ、そういえばスキル、何もらったんだ?」
「俺はゼロクリエイトっていう創造、消滅系の力!蓮は?」
「俺はな、影召喚っていってな、自分の影をこっちの世界に引き出して戦えるんだ」
「めっちゃかっけーじゃん!今ってできるか?」
「まあな」
そう言うとライトは地面に手を付け、影の手を取り、そのまま引くようにして召喚した。なんていうか…ライトをそのまま黒く塗って、目を金色に変えただけの感じだ。
「なんかさ、この影と俺の間にちょっとした主従関係みたいなのがあってさ、俺のこうして欲しいなーっていう思いに忠実にうごいてくれるらしいんだ」
「普通にすごくね」
「まあな。試しにお前をチョップさせてみるわ」
「おい」
すると、すごい速度でこっちに向かってきて軽くチョップした。またすごい速度で帰って行った。
「お前の相棒、めっちゃ有能じゃね?」
「それな。初めて使ったけど結構ビビッたわ」
その後もスキルとか属性の話をしながら(蓮は闇と雷属性だったらしい)ミカエルさんが戻るのを待った。やっと来たのはおよそ20分程たった後だった。
「ただいまー!お待たせ!キミたちふたりとも行けるってよ!!」
「良かったな、お前ら」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございました!」
「てなわけで、また転移するね!魔法陣に乗って!」
「「はい!」」
俺たちふたりとサタンさんが乗ると、再び魔法陣は光り、あたりは真っ白な光に包まれた。