魔法具
ドーリスは更にブローチを観察しています。
「これって結構巧妙で面白い魔法具だけど、随分と値が張るものだと思うな~
流石に侍女の給金で買えるような代物ではないと思うんだけど」
私達はいろんな国に行く事があります。
殆んどの国では魔法や魔法による道具は普通に認知されています。
魔導具や魔法具は国によって様々ありますが、どの国でも庶民や平民と呼ばれる人達が使えるのは魔導具と呼ばれる生活の補助になるような物です。
例えばランプや火付け用の導具とか。
それよりも貴重で高価なのが魔法具。
大体がアクセサリーなどに魔宝石と呼ばれる魔力のある宝石に魔法効果を刻み込む加工をする。
そして魔法具を身に付けた人物に魔宝石に刻み込んだ魔法の加護が現れる事になる。
ちなみに魔宝石を研磨する際に出た欠片や細かい粒を使うから魔導具は庶民でも使えるのです。
だけど、魔宝石は普通の宝石以上に高価だし、それを加工できる魔法職人はとても少ない。
だから、魔導具と違い魔法具は限られた高位貴族や王族が所有している場合が殆んどだ。
いくら伯爵家の三女だとしても、こんな高価な魔法具を持っている事はあり得ない。
「ねぇロジェこの魔法具はどうしたのかな?
知ってる?魔宝石の中でも赤い物は特に魔力の質が良くて貴重なのよ。
こんなに大きくてクオリティの高い魔宝石、あなたの実家にあったなんて嘘は通用しないよ。
しかも刻まれた加護の内容を考えると、こんな物を王妃宮に持ち込んだ事が分かったら、投獄されても文句は言えないよ」
私は事実を淡々と告げます。
そう、高価なだけでなく魔法具の種類や効能効果によっては城への持ち込みを禁止されてる。
ましてや城で働く者は特にその辺は厳しく規則があるはずだ。
「そ、そんな私はただ貰っただけだもの」
「ふーん誰がお城みたいなお屋敷丸ごと買えそうな魔法具くれるのかな?」
ドーリスの査定では、この国の貴族のお屋敷一棟買えそうな金額らしい。
あの大きな赤い宝石は相当いい魔宝石だものね。
そして施している魔法も。
「そんなに高価なんだ、侍女にそんな凄い物くれるなんて…
いったい誰にもらったのかな?」
私はロジェの腕をしっかり掴んだまま聞く。
「知らない、本当に知らない」
「だから、見ず知らずの人がこんな高価な魔法具をくれたって言われて誰が信じるのよ。
もし、盗んでいたんなら断頭台に登る事になるかもね」
「ひっ! ほ、本当よ。
私そんなつもりはなかったのよ」
ロジェは私達の脅しに泣きながら話し始めた。
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