溺愛王
「話しは分かりました。
マリーエル様、懐妊の事はまだ確定しなければ話すのは早いかもしれませんが、見張りの目の方は聖女マルグリットもそう確信しておりますから陛下にお話になっては?」
「直接陛下にですか? 周りの者にお咎めはいかないかしら?」
ああ、そっちも気にしておられたのね。
確かに陛下はマリーエル様を溺愛されているから、マリーエル様の周りにいつも張り付いている目があるなんて聞いたら、怒り狂うかも…
そして、それに気付かない騎士に八つ当たり…もとい教育的指導が入る可能性は否めないかな?
スーリア国の賢王の唯一の弱点となってしまったマリーエル様。
いつもは冷静沈着、どんな問題もクールに解決できる国王陛下が、なぜかこの一回り年下の奥方様の事になると直ぐに頭に血が登る。
「その為の私なんじゃないんですか?」
私はそう言ってマルグリット姉さんを見ます。
ニコニコしながら目を反らすマルグリット姉さん。
全く…
「そう言う事でしたか」
マリーエル様も気がついたみたいで納得してる。
マリーエル様がこの国に来た時はこれ程仲睦まじい夫婦になるとは周りは思わなかっただろう。
だって、国と国の政略的な側面のが強い結婚だった訳だし。
きっかけはどうであれ、お互いがとても誠実に相手と向き合う方達だった事と年の差がある割に相性がよかった事など、いろんな要因が重なりこの国一のおしどり夫婦となったのだ。
その過程を一番近い所で見てきたのが私で、2人の間のフォローしたり、唯一意見を言って受け入れられてきた。
マリーエル様が私を信頼し気に入ってくれているのと一緒で、陛下もなぜか私の話には耳を傾けててくれるのだ。
まあ賢王様ですから、普段は誰の意見でも耳を傾け、受け入れるだけの器をもってはいるんだけどね。
事、マリーエル様の事に関しては視野が細~く狭~くなっちゃうのよ。
今の所、度を越した被害を被る人は出ていないようで、皆生暖かい目で見ていたようですね。
「とりあえず、面談の申請をお願いします」
私はマリーエル様にお願いした。




