天罰
「何やってんのよ。 フランカともあろう人が!」
振り替えれば、声の主はドーリスだった。
「ドーリス、迎えに来てくれたの?」
私は彼女に飛びついた。
「もともとあなたの代わりに来る話があったでしょ?
折角その気で準備してたから、迎えの飛行船に飛び乗ったって訳よ」
「へへへ、早く会えてうれしいわ」
「あんたの疲れ具合見てると、逆に会ってみたかったわよ、その馬鹿王子に。
ちょっとフランカの仇を討ちたかったし。
でもセバスが激おこだから無理ね」
ドーリスはとても頼りになる私の姉貴分だ。
私を愛称のフランカって呼ぶ程の仲良し。
仇を討つって聖女にしては勇まし過ぎるでしょ。
「大丈夫だよ、ドーリス。
ちゃんと天罰が下ったもん」
私は昨夜の出来事を話します。
ドーリスもドルイコスも目を丸くして呆れてます。
「聖女の寝室に忍び込む王子って… 世も末だ」
見た目に似合わない嘆き方をするドルイコス。
まぁ中身はいいお年のおじいちゃんだからしょうがない。
「あははは、だから天罰よ。
行こう、ドーリス」
私達は腕を組みながら外へ出ました。
小屋の前には飛行船が止まっていて、入り口に少年が立っている。
私達聖女の移動は、魔法石を使って動く飛行船だ。
飛行船を運転しているのは、このフィートと言う少年。
彼は風の精霊と契約している風魔法の使い手だ。
魔法石の飛行船は風魔法で起動する。
「フィートも久しぶり。お迎えありがとう」
「やあ、フランチェスカ、お疲れ様。 出発するから2人とも乗って乗って」
私達はフィートが開けてくれた飛行船に乗り込む。
「ドルイコス、またね」
私は見送りのドルイコスに手を振った。
「聖女の国に帰ったら、しっかり休みなよ。
さっきのは応急措置なんだから」
と釘を刺される。
「ドルイコス大丈夫よ。私がちゃんとセバスに報告するから」
とドーリスが請け負う。
「なら、間違いない。まかせたよドーリス」
「オッケー」とドーリスも手を振る
「じゃあ行くよ」
フィートがドアを閉めて飛行船を飛び立たせた。