聖域
西門には門番も誰もいなかった。
門には鍵すら掛かっていない。
もしかしたら、トレビス団長が配慮してくれたのかも…
私は門を出てそのまま西に向かって走り出す。
足には強化魔法を掛けたので多分、馬にも勝てる速さで私はブートニアの燭台岩を目指します。
丁度日が昇る頃、山の頂上へ着いた。
この山の頂上は平らで駄々っ広い。半径100メートル以上はありそうないびつな円形をした場所だ。
山を登りきった端に数本のドルイコスの木が生えている。
ドルイコスの木は聖女の国だけに生息する魔法の木だけど、ここの山頂だけは聖女の聖域だからこの木が存在する。
そして、この木の横には山小屋にしては立派な建物が1つ。
建物に近付くと中から小さな男の子が出てくる。
「ドルイコス」
「あれ? フランチェスカ様随分と早いね。
迎えはお昼頃だよ」
彼は男の子の様に見えても私の何倍も長く生きている。
彼自身がドルイコスの木であり、木の精霊なのだ。
彼がこの聖域を守り、私達聖女が移動する時の拠点となるここを管理してくれている。
「それがねぇ~ ちょっとした面倒事のせいで、夜明け前に急いで出て来たんだ」
「あれあれ、それは災難だったね。じゃあ、お茶でも飲んで少し休みなよ。
迎えが来たら起こしてあげるから」
「うん。 そうする」
私はドルイコスと小屋に入り、お茶をご馳走になった。
ドルイコスは軽食も出してくれたから、ここへ来るまでの疲れと満腹感で眠気がやって来た。
「ドルイコス、ねむい」
私は盛大にあくびした。
「いつもの部屋使いなよ」
「わかった、迎えが来たら起こして」
私はお気に入りの部屋に行く。
ここへ来る時はいつも同じ部屋を使わせてもらう。




