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英雄無職  作者: 神座光
4/6

物欲センサー先生は優秀なようです。

 「んっ、んんんっ?もう朝か?」

自然と目が覚めた俺。寝覚め感は悪くないから、きちんとした睡眠がとれたのだろう。あたりは真っ暗だが太陽の光は出ているのだろうか。寝ぼけた眼を擦りながら外へ出る俺。日の光はこの星に差し込み始めたばかりで、まだ青とも赤ともつかないような薄暗い色を放っている。どうやらちゃんと眠れているようだ。灯りが偏通りの灯りであった上に、暇つぶしも無かったから寝入りが普段より早かった分、起きるのも早かったのだろう。早寝早起き、あとは朝ごはんだけだな。メラトニンが抑制され、体内時計がリセットされるのを感じるぜ。

 昨日溜め込んだ鶏肉を食べた俺は魔取り線香を焚いたまま洞窟を後にする。今日は今日でやることがあるのだが、出かけている間にまた魔生物に入られたら面倒だからな。俺は森の中を、しっかりと帰り道だけマッピングしながら駆け回る。

「見つけた。」

目標を捕捉した俺はまた木の陰に隠れ、尾行を開始する。俺の目的地まで向かってくれると良いんだが・・・。

 しばらく尾行をしているが、動いては止まり、動いては止まりを繰り返している。

「無駄足になるか?」

 そう考えていると、欲を捨てたのが功を奏したのか、魔狐が急に走る速度を上げ、突然開けたところに出る。奴はその場で狩りを始める。俺も奴に気付かれないように火を起こす。俺が追いかけていたのは魔狐。魔狐が襲っているのは魔兎だ。こういう中型や小型の魔生物が俺にとっては一番の天敵だ。すばしっこいから攻撃は当たらんし、大型と違って軽いから相手の体重を利用することもできない。火で焼くくらいが手っ取り早い。

「今だ。」

火を熾し終えた俺は魔狐が魔兎を殲滅し終えるのを待ってから飛び出す。走りと反作用の風で火が消えてしまわないように気を付けながら魔狐に迫り、蹴りを入れる。当然空中に避けた魔狐を火で炙る。これで倒せはしないが、これを何回か繰り返せば普通に倒せる。

 魔狐を倒し終えた俺はそこら辺の植物の蔓を搔き集める。そいつを組み束ねて網を作る。俺の目当ては魔狐の肉と魔兎の肉、それと魔兎が好んで食べる草や野菜だ。魔生物が食べるものは基本的に栄養が豊富で、魔兎が食べる草を数種類と、魔生物の糞数種類を調合し乾燥させれば魔取り線香が作れる。ベレノアールさんがくれた魔取り線香がいつまでもつか分からない以上、こうして早々に準備しておくのだ。植物のある場所を知れたので、これからは要領良く回収できるだろう。だが、大量の肉と植物を手だけで持ち運ぶのは困難なため、網を作っているというわけだ。まぁ、帰り道に魔生物に出くわせば面倒この上ないのだが・・・。ふぅ、それは置いておくとして、何より、

「ビタミン、ゲットだぜっっっ。」

俺は歓喜した。


 その夜、無事に物資を持ち帰った俺は、眠りに就くまでの間考えていた。

「太ると怖いぜ炭水化物、されどきついぜ糖分不足。」

やはり糖分が無いのは辛いので、俺は穀物を探す決意をするのだった。

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