締め出された。
さて、村に戻ってくるなとの御達しを受けたわけだが、誰がそんなことを守るかという話である。優しい村人さんたちのお世話になってやるぜ、などと考えながらさっきの公園へと向かって歩き出す。と、後ろで絞められたはずの扉がうっすらと開く気配がした。
「ははぁ、ベレノアールさんめ、まったく素直じゃないんだから。」
俺が呆れ半分喜び半分の溜息をついた瞬間、俺の足元に怪しい魔方陣が浮かび上がる。まさか・・・。
魔方陣の輝きが消え、目を開けた俺、そこは村の門前だった。すぐさま踵を返す俺。開けっ放しの扉、空気の壁の切り裂き中に入る、と思ったら。
「何だ?何故俺は倒れている?ていうか痛い。おかしい、空気の反作用力は何時の間に人力を超えたというのだ。」
起き上がり手を伸ばしてみるが、透明な壁にぶつかってその先に届かない。
「くっ、こんな俺より背の低い木の門を超えられないなんて・・・。おい門番のお兄ちゃん、如何いうことなんだ?」
眠そうな門番が俺を見て口を開く。
「あぁ太陽か。よく分からんが、ベレノアール様が村を追い出すとか息巻いていたから、結界でも張られているんじゃないか?」
「何ぃ?我が子同然の俺にそこまでするかあのBBA。ていうかあの人村長ですらないだろ。」
「まぁまぁ落ち着けって。お前は良い奴だけど、働けるのに働かないから仕方ないよ。」
門番に慰められる。段々自分が惨めになってきた俺は思い切り猿人歩きになり、村を後にする。
「強く生きて行けよ~。」
後ろから門番の激励が聞こえた。正直答える元気はあまり無いが、仲良くしてもらっていたから、拳を真っ直ぐに振り上げた。