クライスのドラゴニアンシード
手続きをすれば、図書室の本を借りられるらしいので部屋でゆっくり読む事にした。
(さすがに、ケインさんをずっと図書室で待たすわけにいかないものね。)
そんな事を思いながら部屋へ帰り読書を始めた。
昼食にはいつも通り、クライスがご機嫌で戻って来た。
「ただいま。帰るとリアがいるから帰るのが楽しみだな。」
クライスは上着をバサッと置き、ご機嫌で昼食を始めた。
「クライス、今日は聞きたい事があるんです。できれば二人で話したいの。」
「いいよ。ケイン、俺が仕事に行くまで席を外してくれ。」
ケインは軽く頭を下げ、出ていった。
リアはカチャンと静かにサラダフォークを置き、聞いた。
「クライスはドラゴニアンシードを持っているの?」
クライスは、隠す事なく話した。
「ああ、気付いてたかな、とはどこかで思っていたけど、確信がなかったんだけどな。どこで気付いた?」
「アッシュの邸で、クライスの風が竜の形に見えて、それと今日本で四大元素の竜のシードをたまたま読んで。」
「そうか、俺のドラゴニアンシードは風の王と呼ばれる風のシードでは一番上位のシードらしい。」
「だからいつも風を纏っていたのね。」
「リアはドラゴニアンシードと対話した事ないだろ?ドラゴニアンシードは竜が眠っているみたいなものだから、対話すると、その力が本当の意味で使えるようになるよ。」
「クライスはずっとできてたんだね。」
「…初めて声が聞こえたのは、リアとあの崖から落ちた時だよ。リアを助けて、と思った時聞こえたんだ。」
「私も、対話できるかな?そしたら何のシードかわかるかな?」
「…いつか出来るよ。」
クライスは確信がないのもあるが、リアのドラゴニアンシードが破滅のシードだと言えなかった。
(このまま、何も知らずいてほしい。
俺がずっと守るから。)
クライスは愛しそうにリアを見つめた。




