頑張ります!
お茶会へ行くとローラと知らない男が一人いた。
なんだか軽薄そうな男だった。
「まあ、お迎えを出すまでお待ちしていてよかったですのに。」
何だか刺のあるような言い方だったがリアは気づかず謝ろうとするとマルクが先に話した。
「この後、クライス様との時間がありますので先に来ました。何か問題がおありですか?」
マルクはなんだか迫力があった。
「いいえ!そちらの方は昨日いた方ですか?」
「マルク・フェリスです。クライス様の秘書官をしています。今回はクライス様の代わりにリア様の護衛をかねて、参りました。それより、」
マルクは表向きはクライスの秘書官らしい。
マルクはローラと一緒にいる男を睨んだ。
「そちらの方はどなたですか?男性がいるとは聞いていません!」
ローラはマルクの迫力に引き下がらず強気だった。
「フェリスとは、フェリス子爵様の事ですか?私はコーデリア侯爵の娘です。」
「知っていますよ。」
(何だか、二人の間に火花が見えるのは私だけ!?)
リアはオロオロするのをひきつった笑顔でぐっと我慢した。
「こちらの殿方は私の友人のリーベンス伯爵家のロイド・リーベンスです。」
あなた方より位が上ですわ。という声が聞こえてきそうだった。
「リア、帰りましょう。男がいるとは聞いていません。」
マルクが帰るよう促すと、ローラは勝ち誇った顔で挑発してきた。
「あら、男性がいると何か問題が?まさか下心がおありかしら?」
「マルク、私は大丈夫です。お茶会にしましょう。」
リアはそういうと、こっそり耳元でマルクだけに聞こえるように言った。
「(ヒソッと)社交性を身に付けるチャンスです。頑張ります!」
(こんな奴らに頑張らなくていい!)
マルクは思ったが、お茶会は始まってしまった。




