異変
クライスとマルクは異変に気付き、すぐさま現場に向かったが遅かった。
残っていたのは、争いの後と雷と転送のシードだった。
「誰か、状況がわかる者は!?」
「クライス、落ち着いて下さい!」
クライスの怒りを抑えようとするもマルクは無理だと分かっていた。それでも、言わずにはいられなかった。
現場にいた騎士の一人がダグラスの顔も確認しており、話始めた。
「争いは見ていないが、ここに向かっている途中女の子の悲鳴が聞こえたんだ。俺達がついたときには男が女の子をかかえ転送して消えた。あの男はダグラスさんだった。」
この騎士は騎士団にいたダグラスの顔見知りだった。
クライスは、ガンっと側にあった柱を殴った。
「クソッ!!」
クライスとマルクはすぐさま自分達の執務室に急いで戻った。
執務室に探知のシードを取りに行ったのである。
クライスはすぐに探知のシードを使い始め
目の前にシードの地図が広がりシードが反応する方向を探した。
「マルク、転送のシードを取って来てくれ!」
クライスはリアの婚約指輪に探知のシードですぐに分かるように少し細工をしていた。
(まさかこんなにすぐに使う事になるなんて!)
シードの地図に一ヶ所強く青く光った。
あのブルーダイヤのように。
「クライス!転送のシードです!」
「すぐに行くぞ!リアの指輪を探知できた!!」
「クライス!!」
クライス達が転送のシードを使おうとした時、呼び止められ振り向くと、ヒューゴがいた。
「クライス、俺が転送してやる。」
「今のヒューゴじゃムリだ。まだ弱っているだろ!何の用だ!?」
「リアにドラゴニアンシードを使わせないでくれ。リアのシードは恐らく破滅のシードだ。」
「!?知ってたのか!?」
「確信はなかった。だが…」
クライスとマルクの周りが光に包まれる。
「転送のシードは帰りに使え、何があるかわからん。リアを頼む。」
ヒューゴは完全に回復してなかったが、今ある魔力を使い二人に転送魔法を使った。




