格好いい顔も好きです
翌朝、リアはベッドの中で手を天井に向け指輪をジッと見ていた。
クライスはまだ眠っている。
(凄くキレイ、。クライスが、プロポーズしてくれるなんて。
何だか、クライスと出会ってから人生が動き出した気がする。でも、灰色の男がまだ、狙ってたらどうしよう。もしこの城が父のような邸になったら。)
プロポーズに浮かれている自分と狙われている不安とで、リアは言葉にできない気持ちになる。
そんな事を考えていると、クライスは目が覚めリアに抱き付いてくる。
「おはよう」
「おはようございます。」
お互いどちらともなく、朝のキスをした。
クライスが艶っぽい顔でリアを見つめる。
クライスのキリッとした切れ長の目とリアは目が合う。
思わず目を反らすと、クライスが肩を抱き寄せ顔が近づいた。
「いつも俺の顔から目を反らすけど、俺の顔嫌い?」
クライスは自分の顔がタイプではないのかと、的外れなことを思っていた。
「違います。恥ずかしいだけで、その、
クライスが、…格好いいから…」
(朝から何を言わすの!?)
朝からリアはドキドキしてた。
「俺の顔好き?」
「顔も好きです。」
(顔も、か。リアは俺の外見によってくる女とはやっぱり違う。)
クライスは顔立ちが整っており、陛下が正式に王位継承権を認めている為か、幼い頃と違いたくさんの女達が寄ってきていた。
王位継承権がなくても、クライスの容姿ならアリーのように夢中になる女も沢山おり、それをクライスは適当に遊び、本気になる事は一度もなかった。
私室に連れてくる事さえすらなかった。
「クライスが仕事に行ったら、今日は先生の所に行ってくるね。」
「…、本当はここにいてほしいけど、城の中ならいいよ。」
リアはクライスのジャケットを後ろから掛け、着替えを手伝おうとしていた。
「私って、朝寝坊だよね。」
「そうでもないだろ。」
「でも、父様の愛人は朝早く起きてたわ。朝、先生の所に行く時によく玄関で会ってたもの。」
リアの父は母がなくなってから、愛人を作っていた。
リアは愛人が殿方より遅く起きることはできませんわ。と話していた事を思い出した。
「愛人だからだろう。リアは朝勝手に出ていかないで。」
(あの伯爵め、リアを大事にしてなかった癖に愛人を囲うとは。)
「リア、着替えを手伝ってくれてありがとう。朝食を食べたら、ヒューゴの所まで送るよ。さぁ、行こう。」
クライスの部屋の近くにある本ばかりの部屋の前で、執事ケインが立っていた。
リアはこの部屋に朝食が準備されているのがすぐにわかった。




