アフタヌーンティーの時間
中庭にアフタヌーンティーが準備されており二人はお茶の時間にする。
今日はピクニック風なのか、足の低いテーブルにアフタヌーンティーが置かれ、敷物にクッションが何個も置かれていた。
「あとは自分達でやるから、下がってくれ。」
クライスが執事に伝えると使用人達が皆下がって行く。
リアが慌てて声をかけると使用人達は下がらせたまま執事が一人残る。
「何かご用でしょうか?お嬢様。」
「いまさらと思うかもしれませんが、ずっとご挨拶ができてなかったので、」
と、リアは執事に挨拶をした。
「ご挨拶が申し遅れました。クライス様の執事のケインと申します。」
執事のケインは淡々と挨拶をして下がった。
「気にしなくて良かったのに。」
クライスがクッションにもたれ掛かり、リアに手を出しながらそう言った。
リアは手を取りクライスの隣に座った。
「きちんと挨拶したかったの。クライスの執事だから。」
「17才の時つけたんだよ。学院を卒業した時に陛下が執事を選んでね。」
「クライス学院行ってたの?」
「セントラルの学院にリヒトと行ってたんだよ。」
セントラルはその名の通り中央にあり、中立地帯でもある。そして学院が多数あり、それぞれの国の人間が学びに来ることが多い。
クライスとリヒトは二人共、セントラルの学院で学び、17才で卒業し国に戻ったのである。
「そっか、学校もいいよね。」
リアは幼い頃学校に憧れた事もあり、しみじみ言った。
クライスは後ろから抱きしめ、そのままリアの頭にクッションが当たるように、敷物に優しく転がるように、押し倒した。
クライスから、そんな話より、と聞こえてきそうなキスをしてくる。
クライスの溺愛ぶりを見たいメイド達は様子を見に来たが覗くのにちょうどいい場所に執事のケインが立っており、仕事に戻りなさい、と追い返されていた。
二人はそんな事も知らず二人の時間を楽しんだ。




