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リヒトの招待状
二人は昼食を食べ、食後にマドレーヌを出した。
下僕を下がらせている為、リアがクライスのカップにお茶を注ぐ。
「うん、美味しい。」
「本当に?良かった。」
リアはホッとした。
「それにしても、よく厨房がわかったな、」
「リヒト様が来られた時にお願いしたんです。夕食の招待状を持って来たんですよ。」
「リヒトが?」
ソファーのテーブルに招待状を取りにいき、クライスへと渡す。
「ふーん、」
クライスの気のない返事にリアは行かないのかな、とも思った。
「アフタヌーンティーまでには今日の仕事終わりそうだから、マティスにまたドレスを持って着てもらおう。」
「では、クライスがお仕事中に私がお店にお伺いしましょうか。」
リアはマドレーヌを渡せるチャンスと思った。
「ダメ、」
「でもマティスさんにもマドレーヌをあげたいのです。」
「昨日の今日で外には出せない。」
結局ドレスを選ぶ時間も無いためマティスが選んだドレスを持ってきてもらう事になり、その時に渡す事にした。
マルクへは今からクライスの執務室に付いていく事になった。




