興味津々なリヒト
「いってらっしゃい、クライス」
「昼には帰ってくるからランチは一緒にとろう。後、城から出るなよ。」
クライスはそう言い、リアの頬にキスをした。
「あと、他の男に近付かないで。」
キスをした時、そっと耳元で言い、
「愛してる」
と囁いた。
「私もです」
リアは真っ赤になりながらクライスの頬に精一杯のキスをした。
「今日は頑張れそうだな。」
クライスも少し赤くなったのがわかった。
(やっぱり今日休もうかな?)
そんな事を思い、クライスは頬を撫でながら執務室へと向かった。
リアはどうしようか部屋のソファーに座り考えていた。
(お礼するにも城から出るなと言われたし、お菓子を作ろうにも勝手に厨房は使えないし、かと言ってクライスに言うとお菓子作りがバレちゃうし、何かいいお礼はないかな?
マルクに相談してみようか?ってクライスと仕事してるんだった。)
リアが考えている時、コンコンとドアのノックの音がした。
「リア様、リヒトです。入ってもよろしいでしょうか?」
(えっ、リヒト様って!?)
「はい、どうぞ、」
二人は挨拶をかわした。
「どうぞ、気を使わないで下さい。」
「そんな…」
「少しお話がしたくて来てみたのです。」
リアはどう対応しようか悩んでいた。
「あの、すみません。私、伯爵家ではほとんどヒューゴ先生と過ごして居まして、あまり人と、その関わりが薄かったもので、少し世間知らずなところがあるので、リヒト様が満足できるお話が…。」
「どうやら緊張させてしまったみたいですね。」
リアはリヒトを見て、母違いだとしてもどこか似てるなと見とれていた。
「もし、よろしければ私もリアと呼んでもいいでしょうか?」
「もちろんです。」
「クライスは優しいですか?貴女に夢中みたいですね。」
「そんな事ありません」
(本当に何しに来たの?)
「実は今晩の夕食を三人で一緒にと思いまして、」
向かいに座っていたリヒトはリアの横に座りスッと招待状を出す。
「緊張させてしまったみたいなので正直に言います。
クライスが溺愛する貴女とお会いして話したかったのです。他意はありません。
幼い頃から何かを欲しがる事がなかったので、リアに夢中だと聞いて興味が沸いたのです。」
リアはポカンとした。
(興味本位で来ただけ?)
「女性を興味本位で見るのは失礼でしたね。驚かせてしまったお詫びをいたしますよ。ランチでもご一緒しましょうか?」
「いえ、ランチはクライスが戻って来るので。」
「クライスが?」
リヒトは少し笑ってしまった。
「あの、もしよければ、厨房を貸して頂けませんか?」
「貴女がお料理なさると?」
「お料理って程ではありませんが、クライスに何か作ってあげたくて。」
「構いませんよ。いつ頃がよろしいでしょうか?」
「できればすぐが」
「では、今からいきましょう」
「ぜひ、お願いします」
とリアが立ち上がると思いの他リヒトの足がリアの方に寄っており、ついリヒトの足に引っかかってしまい、リヒトの方に倒れてしまった。
「きゃあ、」
「危ない。」
リヒトはとっさにリアを庇い、受け止める。
ソファーの上でリアはリヒトを下敷きにしてしまった。
「すみません!?私ったら」
リアは慌てて起き上がった。
リヒトはリアの首筋に気付きリアの髪を少しかきあげる。
「クライスの跡が見えますよ。」
リアは赤くなり慌てて首筋を押さえる。
「本当にあのクライスが溺愛してるのだな。」
リヒトは急にハハッと笑った。
「あのー?リヒト様?」
「ごめんね、今までクライスが誰も本気で好きになった事ないから心配してたんだ。なんか、リアは溺愛してるだけあって他の女性とは違う見たいだ。」
リアはもしかしたら、相応しくないと思われているのでは?等、内心密かに不安になっていた。
(それにしてもリヒト様、キスマークで笑いすぎです。)




