クライスのテンションがわかりません
リアは昨日のショートドレスに着替えていた。
(昨日と同じドレスだけど、クライスと二人のディナーだし、大丈夫よね。これ一着しかないし)
そう思っていると、ドアがバンといきよいよく開いた。
「リア!」
「な、何ですか!?」
「すまなかった!」
クライスはまたリアを抱き締めた。
(何?何が起こったの!?)
「クライス、苦しい」
「昼は君を置いて行ってしまって悪かった。まさか、嫉妬していてくれたなんて思わなかった!」
(!?)
「気づいたの!?」
「マティスに言われてわかった!本当に嫉妬してくれたんだね。」
(うぅ、マティスさん)
「…嫉妬、しました」
リアは観念したように言った。
クライスはリアに愛されていると実感し、また抱き締めた。
リアはクライスのテンションに嫉妬してた自分がどうでもよくなってきた。
ディナーの後、昨日と同じように二人はベッドに入った。
真夜中、リアはふと目が覚めた。
外を見ると三日月が綺麗に見え、寝間着代わりに借りているクライスのTシャツを着てバルコニーに出た。
バルコニーの手すりに顔をうずめ、リアはクライスの事を考え出した。
(クライスのテンションがおかしい!?
というか、わからない!?
これが、恋愛小説で読んだ溺愛というやつなの??)
リアは初めての彼氏?許嫁?にわからない事だらけだった。
クライスはリアがベッドにいない事に気付き、バルコニーにやって来た。
「リア、眠れないのか?」
「…少し夜風に当たっていただけです。」
(考えていた事は秘密にしておこう。)
「確かに気持ちいいな。」
クライスはリアを包み込むように両手を広げ手すりにもたれた。
「クライス、色々ありがとうございます。何かお礼をさせて下さい。」
「リアがいるだけでいいよ。」
「でも、私も何かしたいんです。」
「じゃあ、ベッドに行こう。」
「そ、そういう事ではなくて」
「…本当にリアがいるだけでいいんだよ。」
「クライスは、明日仕事?」
「一応そうだけど、」
「じゃあその間にお礼を考えます。」
「楽しみにしてる。」
(明日は仕事、とりあえず、精一杯のいってらっしゃいをしよう、)
とリアは思い、二人でベッドへと戻った。




