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嫉妬
「リア、マティスを表まで送ってくるから今の内に着替えていて。」
「はい、わかりました。」
リアは本当は自分も送りたかったが昼の事もあり素直に聞いた。
リアはモヤモヤした表情のままだった。
マティスを送りながらクライスは服のお礼を言った。
「男達に襲われそうになって落ち込んでいるんだ。マティスの服で元気を出してくれるといいんだけど。」
クライスの言葉にマティスは眉間にシワが寄った。
「クライス様、違いますわ。」
「違う?」
「確かに恐ろしい思いをされましたが、
落ち込んでいるのは違う事ですわ。」
「どういう事だ?」
クライスは心辺りがないという様子だった。
「嫉妬ですわ。リア様を置いて、クライス様が女性と出ていった事に嫉妬したんです。あの女性はクライス様に気がおありでしたわ。」
余計なお世話かしら、と思いながらもマティスは話続ける。
「リア様とのデート中に他女性と二人で行くなんて、いけませんわ。そんなにお急ぎの仕事でしたか?」
「いや、明日にでもするつもりだった仕事だが…、」
(近くにレイ達がいたのがわかったから)
「なら、尚更いけませんわ。」
ピシッとマティスが言いクライスを見ると、クライスは口に手を当て顔が赤くなっていた。
「クライス様?」
「リアが嫉妬?…」
クライスはまさかと思った。
そしてどこか嬉しそうだった。




