悪巧み
武器屋につくとすぐにレイと話した。
アリーは用事があるといいさっさとどこかへ行った。
「レイ、リヒト王子からの提案だか、テレーズ国と契約しないか、と話されている。」
「それは国のお抱えになるって事か?」
「悪い話ではないと思うが。」
レイは最悪解散も覚悟していたが、予想と違い少し驚いた。
「皆と話してから決めるよ。」
レイは前団長と違い独断で決めず、きちんと団員の意見も聞くタイプだった。
「俺は伝えたからな。悪いがデート中なんでね。じゃあな。」
そう言いクライスは急いでリアの元へと行った。
マティスの店につくとリアがいない。
「クライス様、どうなさったんです?リア様が行かれたはずでは?」
マティスが不信に思った。
「リアはいないのか?」
クライスの顔が強張る。
「先程、クライス様が連れだって行かれた女性がまた来られて、クライス様が呼ばれていると言われ、一緒に出ていきましたわ。」
(俺は呼んでない!?何でアリーが!?
途中で会わなかったぞ。どこに行ったんだ。)
クライスはまた武器屋へと走った。
武器屋へと走っている途中レイ達と会った。
「よう、クライス。デートじゃなかったのか?今から皆で酒場に行くんだ。暇ならくるか?」
レイが陽気に言う。
「アリーはどこだ!」
クライスの剣幕に皆が驚いた。
「…アリーならお前を連れて来てから会ってないぞ。」
クライスの様子に団員の一人がおそるおそる話した。
「俺、さっきアリーを見た。」
「本当か?」
レイが聞き返すと、クライスは詰め寄った。
「どこだ!?」
「北区の路地裏の方に向かってた。クライスがパーティーの時一緒にいた女と歩いてた。可愛いかったから顔覚えていたんだ。」
クライスはすぐ様また走り出した。
「向こうは柄の悪い奴らのたまり場だぞ。女が行くところじゃないだろ。」
「俺もそう思ったけど、アリーが一緒だからそんな所行かないだろ?」
「とにかく、クライスを追うぞ。アリーとその子を見つけたら捕まえろ。」
レイを合わせて五人の傭兵達はクライスの後を追った。




