窓辺の光
リアの部屋へ行くと、リアはベッドで子供向けの本を読んでいた。
「クライスどうしたの?寝ないの?」
「リアナに話があって。」
「なあに?」
ベッドからおりクライスの側に近づくとギュッとリアの手を握った。
「俺の許嫁になって。」
「いいよ。」
リアはケロッと言った。
「本当に?」
「うん、だってクライス優しいし。
ねぇねぇ、こっち来て、」
二人は出窓に上り窓の外をみた。
クライスは一ヶ所だけボヤッと光っている所があるのに気づいた。
「あそこ光ってるでしょ。夜光草がたくさんあるんだよ。」
「すっげー、キレイ」
「クライスはスゴイね。堂々としててカッコいいね。」
「そんな事ない。城では俺の事ふてぶてしい、って言うやつもいるし。」
「ふてぶてしい?」
「母さんは王族どころか貴族でもない平民だから第2王妃にもなれなかった。俺6才までは城にも住んでなかった。だからいろんなやつが俺の事色々言う。セフィーロよりはっきり嫌がらせするやつもいたし、」
「でもクライスは優しいね。クライスがいたら私も淋しくないかな。」
「結婚できるようになったらすぐに迎えに来るよ。」
「そしたらずっと一緒だね。」
(リアはみんなと違ってお茶会の場でも俺を蔑んだり哀れんだりしなかった。
リアはみんなと違う。)
「名前リアナじゃなくリアって呼んでいい?そっちの方が呼びやすい。」
「うん」
二人は手を繋ぎ肩を寄り添いあい窓辺に座っていた。二人の背には夜光草の光が見えまるで一枚の絵のようだった。




