両思い
マルクの向かいにクライスとリアが二人並んでソファーに座った。
「マルク、リアはフィナール伯爵家の生き残りだ。」
マルクは驚いたがクールな感じであまり顔には出なかった。
「ヒューゴさんが話していたリア様ですか?」
クライスはティニー村の出来事を話し、リアが呪いがかけられている事を話した。
「レイがあなたが女の子といたと言っていたのでナンパしてたんだと思いました。」
丁寧な言葉だが以外とズバッと言うタイプなのかとリアは思った。
「呪いを見せて頂けますか?」
リアは右脇腹が見えるように服をまくりあげた。
「これは…」
マルクはリアに近づき傷をよく見る。
(傷痕のようでどこか違う。魔力も感じる。)
「確かにすぐに解呪した方がいいでしょう。ドラゴニアンシードを持っているならなおさらです。奪われたら悪用されかねない。」
「隣の仮眠室でします。クライス、部屋に連れて行って下さい。俺は浄化のシードを準備してきます。」
そう言うとさっさとマルクは部屋を出ていった。
クライスに案内されリアは続き部屋に行くとツインルームのようにベッドが2つあった。
「ここは仮眠室なんだ。俺のベッドを使え。」
リアはベッドに腰をおろすも不安そうだった。
「どうした?怖い?」
「解呪をすると相手にばれるんじゃないかと思って…」
「大丈夫だ。この城にも結界のシードが張ってあるし、この部屋にも張るから。
お前の事守るって言ったろ。大丈夫だよ。」
「どうしてこんなによくしてくれるの?私がドラゴニアンシードを持っているから?」
「違う。好きだから」
「まだあったばかりだよ?」
「じゃあ、一目惚れで」
「どういう意味?」
「好きって事」
リアは何かはぐらかされているように感じていた。
「…キスしていい?
解呪中は出来ないんだし今したい。」
リアはクライスに見つめられてそのまま目をつむった。
キスをしたあとクライスはそのままリアを優しく抱きしめる。
「好きって言ったのに返事がないんだけど。」
リアは抱きしめられたままクライスの胸の中で返事をした。
「私も好き…」




