美味しい料理
宿屋の中は一階が食堂になっていた。
カウンターの奥には男の料理人、手前にはウェイトレスの女の人がいた。
ウェイトレスが陽気な声で声をかける。
「お二人さん?お好きな席にどうぞ」
食堂は美味しそうないい匂いがした。
「悪いね。今日はメニューこれだけしかないんだよ。もしかしてお二人さんもティニー村から逃げてきたのかい?」
メニューとお冷やを出しながら聞いてくる。
「ティニー村の人が来たのか?」
「昨日の夕方に来たよ。村が襲われたみたいでうちの食糧をかなりわけたんだよ。馬も貸したから昨日のうちに王都には伝わったと思うよ。」
(マルク達が上手く連れて行けたんだな。)
クライスはマルクを信頼しているのでこの言葉に上手くいったと確信した。
二人は今できるメニューの中からトマトソースのカプレーゼパスタというのを頼んだ。
さっきからトマトソースのいい匂いがして二人は食欲をそそられ、キレイに平らげた。お腹が膨れるとどこか一息ついたようだった。
奥の料理人が食後のコーヒーまで出し、何だか嬉しかった。
「マルクという人は凄腕の解呪士なの?」
「腕は確かだよ。俺と仕事してる。」
(ということはマルクという人もシャドウナイツなんだ。)
察した様子のリアにクライスは満足げだった。




